2007/08/24

できる人と、できない人を見分ける方法

経営について話をすると、必ず人や採用の話になります。

「中小企業はなかなかいい人が採用できなくてねー」なんて、ウソなのか本当なのか、真剣に悩んでいるのか・・・真偽のほどはわかりませんが、総じて採用に悩んでいたりします。(もちろんウチもそうですが・・・。)

ということで、できる人と、できない人を見分ける方法は結構大切だったりします。
みなさん、様々なテクニックをお持ちかと思いますが、自分も一つ二つあったりします。

例えば、「今日の面接のために何をしてきましたか?」

このように聞けば、その人がどれくらい仕事ができるのか大体わかります。

面接は応募者個人の話なので、影響範囲は個人に限定されます。

しかし仕事は段取りが命。

事前に段取りをしておかなければならないことがたくさんあります。

この質問では、その段取りがわかります。

とても大切な自分自身のことでさえ、しっかりできないならば、ましてや他のことなんて・・・。

しかし、この質問でも一つ弱点があるのではないか・・・と最近感じています。

それは、「自分以上に段取りができる人がいた場合、どうなるのかわからない。」ということ。

この質問に限らず、他の質問にも言えることなのですが、質問者より良いやり方を実践している応募者がいた場合、質問者は果たして適切な評価判断ができるのだろうか・・・。

ケタ違いの結果を出している場合、ケタ違い・・・というだけあって、やり方が非常識に見えることがあります。

となると、ケタ違いの段取りをしていた場合、違和感を持って適切に評価できなくなるのではないかと・・・。

上の位にせよ、下の位にせよ、ケタが変わると考え方、行動、常識、視点、着眼点・・・あらゆることが異なってくると思います。

結局、自分がわかるのは同じケタで生きている世界。
だからこそ違う世界に触れた時に違和感を感じてしまう。

そのケタ違いの世界をうまく取り入れることができないか。

最後は何だかフワフワと抽象的な話になってしまいましたが、今この何となく感じているフワフワ感を具体化しようとしている所です。

理解ができる具体的な言葉になったら、また話をしようかなと思っています。

追伸)
相変わらず暑いですね。
それにしても東京サマーランドがえらいことになっていますね。(笑)



元ネタはこちらです。
元ネタ

写真で見てもびっくりです。
コメントも面白いので、時間がある方はどうぞ。

まだまだ暑さは厳しいですが、頑張っていきましょー。

2007/08/10

コンサルティング業界で身に付けられないこと

このブログのアクセス解析を見ると、「アビーム」、「ABeam」、「アビームコンサルティング」など私が在籍していた前の会社名をキーワードに訪れる方が毎日結構な数にのぼります。

就職活動中なのか転職を検討しているのか、その真意はわかりませんが、せっかくなのでコンサルティング業界で身に付けられないことについて書いてみたいと思います。

コンサルティングの仕事としてプロジェクトに参画していると、このような場面に出くわします。

・予算数億円の意思決定
・子会社社員200名の将来が決まるプランA、プランBどちらかを選択
・売上高が1,500億円を超えるアジア展開の実施をするか、しないかを決定

会社の社運、命運、将来を決める意思決定の場面に立ち会う機会がとにかく多いです。

そして意思決定者が適切な決定ができるよう分析を行い、計画を立案し、アドバイスをします。
それだけではなく、意思決定を行った後、継続的に実施のフォローを行ったりします。

自分が時間をかけて検討を行った計画が意思決定の場に登場し、その計画を基に全社員が動いたりするので、その躍動感はなんとも言えない快感です。

そして数々の意思決定の場面を見ているので、何を基準にして意思決定を行えば良いのかわかるようになります。

つまり、筋の良い選択肢を短期間で考えられるようになります。

ということで、良いことばかりのような気がしますが、実はここにワナがあったりします。

数々の意思決定の場面に立ち会ってはいますが、コンサルタントが絶対経験できないことがあります。

それは、「決断すること」

こればっかりは、クライアント企業の意思決定者しかできません。

意思決定において、選択肢の質を上げることも大切ですが、その中から一つを選ぶ覚悟や勇気を持つことも同じくらい大切です。

コンサルティング業界では、この点について身に付けることがなかなか大変です。

決断することを経験していないと何が起こるのか?

私の経験をお話すると面白いことがあります。

起業後、ある経営者の方とお話していた時です。(仕事ではなくプライベートです)

何気ない会話の中から、その会社の課題や方向性などを掘り下げ、今後会社をどうしていけば良いのか、相手が喜んでくれるぐらい素晴らしいコンサルティングができました。(笑)

次に、私の会社が話題になりました。
その時、面白いことが起こったのです。

さっきまであれだけ切れ味鋭くいろいろなことを話していたのに、自社になるととたんに話せなくなったのです。

相手も驚いていましたが、あまりの違いにびっくりして、自分なりに考えてみました。

その時、気が付いたのが、決断することです。

何か「やるぞ」と決断すると様々なことが起こります。

その起こるであろう現象が、今までのコンサルティング経験でわかっているので、恐れや不安の感情が沸き起こり、耐えられなくなって考えなくなってしまったのです。

自分個人の人生上の決断は、自分にとって比較的楽な決断です。
なぜならば、自分の責任で何とかなるだろう・・・と思えるからです。

一方、仕事における決断は、ちょっとだけ性質が異なる気がしています。
それは意思決定が与える影響範囲が、自分だけでなく、お客様、社員、取引先、地域社会、環境などなど、とても広く、大きいということです。

自分一人で責任を取ることができないかもしれない・・・このように感じてしまうとなかなか決断に踏み込めなくなってしまいます。

今まで誰がどう見たってこれしかないだろう・・・というような決断でも、なかなかできないクライアント企業をたくさん見てきましたが、実はこのような感情と戦っていたのかもしれないなと今更ながらに思います。

そして決断できないと何が問題になるのか?

それは「行動を起こすことができない」ということです。

何も行動しない・・・というのは、企業経営においては死を意味します。

だからこそ弊社ではチャレンジを大切にしています。

チャレンジを大切にしながらも、切れ味が鈍っている私を見て、「一番臆病者で行動できない奴が、コンサルタントになるのかもしれないね。」と、その方に言われてしまいました。(要猛省)

筋の良い計画はお金を払えば、簡単に手に入れることができます。
しかし、決断はどんなにお金を払っても手に入れることはできません。

意思決定の早さは会社の競争力に繋がります。

傍から見たら何も動いていないように見えて、経営者はいろいろなものを背負っています。
起業する前は推測でしかなかったものが、今はリアルに感じられます。

そこが仕事の醍醐味の一つかもしれませんね。
個人的には事業会社の方が圧倒的に「決断すること」が経験できると思います。

ということで、コンサルティング業界に興味がある方は、「決断すること」というとても大切な要素を意識しながら、キャリアプランを考えるといいと思います。

誰かが「新卒からずっとコンサル一筋という奴はダメだ。」とおっしゃっていたのを、遠い昔に聞いた記憶があるのですが、新卒からコンサル一筋でやる時には、何を気を付ければよいのかわかった気がします。
(会社を辞めた後にわかる・・・というのも遅いですが。)

追伸)
なんだか難しい話をしてしまっただけでなく、若干エラそうなことを書いてしまったような気がしているので、話半分で読んでください。

就職活動中や転職を検討している方が訪れているとしたら、伝えたいことはこれだけです。

アビームはええ会社やでー。
インターネットで情報収集もいいけど、ちょっと足を運んで会社を見てみれば、この言葉の意味が実感できますよー。

2007/08/01

スーパービジネスパーソンに会いました

本日、前職で同期だったメンバーと食事をしました。
(モツ鍋、めちゃくちゃ美味しかった。)

そこで話題になったことを一つご紹介したいと思います。

メンバーの一人は、転職して頑張っています。
先日、彼の現在の上司に仕事ぶりを聞く機会がたまたまあったのですが、とても素晴らしい評価でした。
お客様からも「ウチの会社に来てくれないか?」と上司に(しつこいぐらい)お願いが来るほど、クライアント企業に貢献しているらしい。

何度かプロジェクトを共にして、一緒に頑張った過去を振り返ってみると、さしたる驚きもなく「それも当然かな。」と思います。

そんな彼ですが、話を聞くと驚くことに、給料が自分達が新卒でもらっていた時よりも低い。

仕事に対する成果と対価にあまりにもギャップがありすぎる・・・。

あまりにもギャップがありすぎるので、本人には「命には限りがあるのだから、その一瞬、一瞬を大切にするために、安売りをしすぎない方がいいと思う。」、「お客様は喜んでくれているかもしれないけど、それって本当にWin-Winなのかなぁ?本来の価値がわかりにくくなっていない?」、「適切なプライシングができていないのは、業界としても良くないと思う。」みたいな話をしました。

ということで、帰り道、このことについて改めて考えてみました。

支払った額を超える成果が得られればお客様は喜ぶ。

これはとてもいいことだと思います。

でも、その差が余りにも大きいとどうなるのか・・・。

個人的にはその差は埋めた方がいいと思っています。

なぜならば、双方の成長につながるからです。

その差を埋めれば当然、お客様は、その額に見合った成果を期待します。
今まで以上のプレッシャーがかかります。

その期待を超える成果を出そうと頑張ることが、成長につながると思います。
お客様自身もより大きな成果を期待するので、今まで以上に真剣になると思います。

期待を超える成果を出す→さらなる期待をかける→その期待を超える→さらなる期待を・・・。

本人とお客様の間でこのような関係を築くことができれば、何か大きなことができると思います。

より多くの成果が出せるのに、相手は少ない期待しかしない。
期待というプレッシャーがなくなると、いつの日か、その少ない期待の範囲内でしか応えることができなくなってしまうのでは・・・なんてことを考えてしまいます。

人の成長って、ちょっと背伸びをして頑張った所にあるような気がします。
だからこそ、そのような環境や関係を築きたいと思っています。
(何か子育ての話みたいですね。)

ということで、私を含め起業して頑張っているメンバーで、彼に対して「お前、もっとできるんだからさぁ・・・」みたいな話をしていました。(笑)

そんな彼は一体どんな仕事ぶりなのか?

一番効果的だなと思っているセールストークがあります。

それは・・・

「私がもう一人増えます。」

自分自身で言ってしまっているので、一緒に仕事をしたことがない方には、胡散臭くてしょうがないのですが(ということで、大いに疑ってください)、私と一緒に仕事をしたことがある方には、この言葉がどのような意味を持つのか、よくわかると思います。

noblesse obligeという言葉が欧米社会にはありますが、彼にはより多くの方に価値を提供する力があるだけに、その責任と義務があるのではないかと思っています。

ということで、機会があるたびに(ちょっとイジワルですが)メンバーと一緒にそそのかしつつ(笑)、使命感や目的を持って起ちあがるまで、応援の準備をしながら気長に楽しみに待っていようと思います。