2007/05/23

商売における「ライフスタイル提案」のウソ

(現在進行中の案件に関わるので、非常に抽象的な話になるかもしれませんが、ご了承の程を。)

「これからは消費者の方に新しいライフスタイルを提案しないとモノは売れない。」といった類の話を聞くことがある。

そのお蔭なのか、インターネットでは様々な企業が新しいライフスタイルの提案を行っており、情報が溢れている。

わかりやすい例では、食品会社が自社の商品を使った新しい料理レシピや他の食べ物との組み合わせを紹介するなど・・・。

ベーコンを販売している会社がベーコンを使った新しい鍋料理のレシピを公開・・・というのはよくある話。
このような例には枚挙に暇がないのだが、果たしてそれで消費に繋がるのだろうか?

真のライフスタイル提案とは、それを最終商品に落とし込んで販売するまでコミットすることではないだろうか?

先ほどの例で言えば、一人用で鍋に火をかけるだけで食べられるベーコン鍋の商品を開発し、コンビニで売ってみるとか・・・。

ここまで落とし込むには、自社の部門間協力は当然のこと、他社を巻き込んでいかないと実現しない。
ベーコンしか売っていないとしたら、一人用の鍋商品なんて、今までとは全く違う商品で社内は大変なことになるに違いない。
調達、生産、物流、営業・・・何一つ既存商品と一緒のものはないかもしれない。

もちろん商売として利益をあげていかないといけないので、お客様の立場に立った視点も必要となる。

コスト負担が非常に重く、新しいことばかりなのに、利益がどれだけ出るかは未知数・・・。

ということで、最終商品に落とし込んでライフスタイル提案をするのは、非常にリスクを取っていると思う。(だからこそリターンもあると思うのだが・・・。)

個人的にはライフスタイル提案について、このようなことを考えているのだが、「ライフスタイル提案」、「新商品・サービスの開発」と言った時に、どうしてもアイディア出しで止まってしまう事が多いような気がする。

アイディア出しで止まってしまうので、出来ることはアイディア情報の公開・・・。

インターネットのおかげで、用途提案という情報はあふれるようになった。
このレベルでのライフスタイル提案はどの業界、企業も取り組んでいると思う。

正直、アイディアを出すレベルならコツを覚えれば誰でも出来るし、システマチックにできると思う。
大変なのは、どのアイディアが確実に商売になるか見極め、意思決定をし、周りを巻き込んでそのアイディアをいかに実現するか・・・。

会社の仕組みが整っていないと、とてもじゃないができないことだと思う。

ということで、情報の公開だけで終わらず、その一歩先のリスクを取って商売を行っている企業はあるのか?
もしあるとしたら、どのような取組で行っているのか知りたい。

どなたかそのような企業をご存知でしたら教えてください。
よろしくお願いします。

2007/05/16

チャンスを掴むには・・・

「私にはスキルがないので、ちょっと・・・。」

仕事をしている時に、このような対応をされるとちょっと考えてしまう。
なぜならば、出来ない理由を探していて、「どうすればできるのか?」という考えを全く持っていないからだ。

自信がないことやちょっと難しいと感じていることを素直に表現することはとてもいいと思う。
しかし、仕事にコミットメントしているならば、その後に「こうすればできるのでは?」というアイディアが出てくるはず。

そのアイディアを基にどうやっていくかを一緒に考えていくのが、本来の仕事であり、そのような考えがあれば、こちらも全面的にフォローできる。

ということで、自分の自信がないことに対して、どこまで真剣に考えて実現するための話ができるかというのは、一緒に仕事を行っていくメンバー選定の一つの基準になりうるのかなと思う。

この点をいろいろ見てみると、日本はとてもやりやすい国なのではないかと思う。

欧米では結果を基に評価をするけれど、日本人はとにかく頑張っているというだけで評価されることが多い。

つまり、「私にはスキルがありません。でも頑張ります。」と四苦八苦していると、自然と周りがフォローしてくれる。(そして最後に結果が出る。)

仮にうまくいかなくても、上司がうまくフォローしてくれるので、経験を積むことができ、次回ではその経験と反省を踏まえ、うまくいくなど・・・自分に限らず多くの会社で、似たような例を見てきた。

だからこそ、ちょっと背伸びをして新しい仕事にチャレンジするのは、いいことだと思う。

「既知のものを完璧に磨き上げても富は生まれず、未知のものを不完全に把握したときに富は生まれる。」

この考えは、こんな所にも生きているような気がしたり・・・。

2007/05/09

Lessons learnedのススメ

今日は、夕方にプロジェクトのまとめを行った。

それぞれのメンバーが時系列に、プロジェクトを振り返る。

振り返る内容は主に2点。

良かった所と悪かった所。

悪かった所と言うとネガティブなので、実際は改善点を考えるのだが、なかなか有意義なまとめを行うことができた。

そして、良かった所は、別のプロジェクトでも再現性があるようにする。

このような振り返りを実際に次回のプロジェクトに反映することができれば、メンバー及びプロジェクトチームの力は飛躍的に伸びていく。

普段の仕事では振り返りと言う言葉ではなく「レビュー」という言葉を使って、自分の仕事ぶりなどをチェックしているが、何が出来て、何が出来なかったかを理解することは、とても大切だと思う。

レビューを行うことで仕事の見積もどんどん精度が向上していくので、レビューは欠かせない。
個人的には、プロジェクトの最後にまとめて行うだけでなく、15分砂時計を使用することで、短いレビューを行っている。

短いレビューでは、個々の細かい作業に対する品質チェックにとても良い。

良い所と悪い所を振り返る・・・というと負担を感じてしまい、数を重ねるのは大変だと感じてしまうかもしれない。

とは言え、15分砂時計を使ったレビューはとっても簡単です。

始めに15分でできる作業を設定。

よーいドンで仕事に着手。

15分後に判定。

出来ていれば問題なし。できなかったらどうすればできるようになるか考えてみる。

見ておわかりの通り、新しいこと、珍しいことをしているわけではなく、単純なことをしています。

「この仕事の生産性を向上させるには、何をしたらいいのだろうか?」

この質問の答えを出そうとしたら、必然的にレビューをすることになるので、向上心がある方であれば誰でもすぐに取り組めると思うし、既に取り組んでいる話です。

個々人レベルでは、このような発想を持って取り組んでいる方は多いと思うので、チームレベル、会社レベルなど、組織単位で取り組めるようになったらいいですよね。

ということで、お客様も含め、こういった取組を組織単位でできないか考えていたりします。