2010/06/10

目標って何だろうと考えてみる

もうすぐワールドカップ開幕です。

ということで、今回はサッカーネタで「目標」というテーマを取り扱いたいと思います。
注意していただきたいのは、今回の話は私の頭の中を整理することを兼ねています。
答えや結論があるわけではありませんので、何か知識を得たいという方には向きません。

「目標って何だろうな?」とご自身が考えるきっかけとして捉えていただければと思います。

仕事でもなんでもかまいませんが、具体的な目標の話をすると2つの反応が返ってきます。

例えば「ワールドカップで優勝しよう!」という話をした時に・・・

「それいいね!!」という反応。
「そんなの無理だよ」という反応。

あなたはどちらですか?

ここで大切なポイントは期限の定めはありません。

「(いつか)ワールドカップで優勝しよう!」という目標ならばどうですか?
「それいいね!!」 or 「そんなの無理だよ」

期限の定めがなくても2つの反応が返ってきます。
(ここで期限の定めがないのは目標としておかしいとか、目標の内容そのものの質は問いません。)

個人的な印象ですが「そんなの無理だよ」派の人達は現実を正確に把握している人が多いかなと思います。
100年経っても達成できるかどうか・・・あまりにも遠い道のりに、非現実的な目標としてテンションが上がらない状態です。

一方、そんな非現実的な目標でもテンションが上がっちゃう人がいます。

世の中って千差万別でとても面白いです。

ここでその後の流れを見てみましょう。

「それいいね!!」派の人は、「(いつか)ワールドカップで優勝しよう!」という目標を達成するために中間目標として「今回のワールドカップは、予選リーグ突破」にしました。

一方「そんなの無理だよ」派の人は、現実的な目標として「今回のワールドカップは、予選リーグ突破」にしました。

設定している目標は同じですね。
さてさて、目標達成のためにどちらの人達も頑張りました。
結果として予選リーグを突破しました。

おめでとう!!

さあ、次はどうしましょう。

この時、個人的な印象として、「それいいね!!」派の人達の方が先に勝ち続けていく可能性が高いような気がしています。

最終目標が達成されていないから当然ですよね。
一方「そんなの無理だよ」派の人は現実的な目標は達成しましたから、また新たな目標を探さなければなりません。
その際、達成感もあるせいか、なんというか次のステージに行った際のスピード感があまりないような・・・。
できる子ができないまま終わってしまった・・・時に、よくある気がします。

ということで、「そんなの無理だよ」派の人達が目標を設定する時には「上限ではなく下限を設定する」ことをオススメしたりしています。

つまり、「今回のワールドカップは、予選リーグ突破以上」とする。
そうすれば、少しだけスピード感が出てきます。
下限の目標を達成しただけでは、まだまだ達成感は得られないですよね。
(多少の安心感が出たり、明確なターゲットがないので、結局その先も難しかったりしますが・・・。)

個人的には、「それいいね!!」派みたく途方もない目標でもわくわくできる方が、高い結果を得られる可能性が高いような気もしています。

だから「ぜひ高い目標でわくわくしよう」と言いたい所ですが、そう言ってもなかなかできることじゃありませんよね?

妄想と言えば、わくわくできる人はいます。
でもそれが目標になると途端にわくわくできない・・・。

つまり行動に責任が伴ってくると現実的になってくる。

「そんなの無理だよ」派の人達はネガティブな人達である・・・というわけでは決してなくて、行動に責任を持つなど責任感があるからこそ、達成に強いコミットメントをしているからこそ、現実的な目標を設定しようとすることはあると思います。

このように「今回のワールドカップは、予選リーグ突破」と設定しても受け止め方は全然異なります。
仕事に限らず目標達成のためには、多くの方の力が欠かせません。

多くの方の力が欠かせないにも関わらず、その受け止め方は千差万別。
ここに組織運営、チーム運営の面白さがあるなぁと思います。

優れたリーダーは、このような千差万別なメンバーとどうやって目標を達成したのか?
優れた組織はどのような体系になっているのか?
優れた組織運営とは、どのようなことが行われているのか?

などなど興味が尽きません。

問題を解決するには、正しい問題の定義が必要であるように、目標にもおそらく正しい目標の定義があるはず。
今回はその点には触れずに話をしましたので、答えや結論は出てこないのですが、目標一つとっても考えることはたくさんあります。

そんな、しょーもないことを考えながらワールドカップ開幕を待ちわびる今日この頃です。

2010/06/01

私がビジネス書を買わなくなった理由

iPadが発売になりましたが、あなたは手に入れましたか?

私は早速手に入れて楽しんでいます。
何より嬉しいのは今までPC上で見ていたBusinessWeekがiPadで気軽に読めるようになったことです。

さてさて、そんな読書好きな私ですが、ビジネス書を年間600冊も読んでいた頃と比較すると、半年近く経った今年は年間200冊に満たなさそうです。
もしかすると150冊を割り込むかもしれません。

では読書時間が減っているのか・・・というとそうでもない。
同じ本を何度も繰り返し読んでいることが増えています。

ちなみに書籍代の予算も制限されていません。
買おうと思ったものはすぐ買います。

600冊買っていた際には120万ぐらい使っていたと思います。
それが200冊になる・・・と、40万円を割り込んでくる・・・これだけ違ってくると出版界には、ちょっとしたダメージではないでしょうか?
しかも本人はもっと払っていいよと言っています。

ということで、買いたいのに買っていないのはなぜか、その辺を考えてみたいと思います。
これから電子書籍など様々な表現方法が増えてくると思いますので、読書好きなユーザーの声として参考にしていただければと思います。
(ちなみに今回のお話はビジネス書に限ったお話です。)

ビジネス書を買いたいと思っているのに買わなくなった理由・・・それはひとこと「買いたい本が見つからないから。」

なぜ見つからないか・・・というと、ピンとくるタイトルの本がないからです。
著者と何人か知り合いなので、何となく状況はわかるのですが、本のタイトルは著者が一方的に決めるわけではありません。

商業出版なので、売れなきゃ意味がない。
編集者の方とあれこれと悩みながら頑張ってタイトルを決めています。

そこにケチをつけるつもりは全くないのですが、ユーザーとして個人的に付けてほしいなぁと思っているタイトルは「後世に残しても恥ずかしくないタイトル」、「口コミ(オススメ)がしやすいタイトル」です。

どういうことか見ていきましょう。

例えば本屋さんに行った時、「どんな本があるかなぁー」とウロウロしているとこんなタイトルが目に入りました。

「○○は××しなさい」

このタイトルを見た時の私の反応は「何を偉そうに・・・。」

「なぜ○○は××なのか?」

このタイトルを見た時の私の反応は「面白そうだけど、その疑問を解決する時間を取るより仕事したいなぁ・・・。」

などなど、反応が低いです。
人目を引くタイトルの付け方をしているのですが、手に取ってみようとは思わない。
また、よくあるのが”問題を直接解決するタイトル”。
これも私は避けがちだったりします。

例えば「集客を10倍にする方法」という本があったりします。

集客に悩んでいる経営者だったら手に取りたくなるタイトルです。
でも集客に悩んでいるのは実は商品やサービスがひどいから、その現象として集客が悪い・・・などなど実際の問題は複雑だったりします。

それを理解しないで、本に書いてあることを実行したら、確かに一時的に集客は回復したけれど、さらにお客様が来なくなってしまった・・・なんてことになりかねない。

従って、このような直接的なタイトルや手法が書かれてある本は避けがちになったりします。
どちらかというと、心得とか考え方・・・が書かれてある本を求めていたりします。

でもそれだと売れないのかもしれませんね。
「集客を10倍にする方法」と書いてあるから具体的な手法ばかり書かれてあるのかと思ったら、きちんと心得や心構えなんかが書いてある、それに基づいた具体的なステップ手法が書かれてある・・・と、結構良い本もたくさんあります。

タイトルと中身が一致していなくて損をしているなぁという本がたくさんあります。

本は読んで終わり・・・じゃなく、書かれてあることをヒントに、実践して結果を出すまで側に置いておきます。
その時、煽ったタイトルだと、ちょっと恥ずかしい。
気軽に取り出して何度も読む・・・というのがやりにくいです。(私の場合ですが・・・。)

そしてこういった直接的な表現の本は、人に勧めにくい。

ちょっと想像してみてください。
もし経営者の方が「集客を10倍にする方法」が座右の書と言ったらどう思いますか?

経営者の方の本棚を見せてもらったら「売上を100倍にする方法」とか、そんなタイトルばかりの本が並んでいたら、どう思いますか?

個人的には、そんな会社の商品、サービスは購入したくないなぁと思ってしまいます。

仮に全部の本の中身がタイトルのような煽った内容ではなく、きちんとしていたとしても見た目で判断してしまいます。

だからこそ、短期的な売り上げではなく長期的な売り上げになる本作りをしてもらったら嬉しいなぁと思っています。

電子書籍になるということは、デジタルデータとして残るということ。
物理的な本と比較すると、古い本にアクセスしやすくなります。

だからこそ「後世に残しても恥ずかしくないタイトル」、「口コミ(オススメ)がしやすいタイトル」を付けてもらえたらなぁと思います。
(もちろん著者の方も後世に残しても大丈夫な有用な内容を書いてくれれば嬉しいです。)

もうちょっと噛み砕くと「自分の孫に伝えても(渡しても)良い本」と言えばいいのかな?
「世界で戦える本」と言えばいいのかな?
「カウンターに持っていく時に恥ずかしくない本」と言えばいいのかな?

そんな本をたくさん読みたいなぁと思っています。

おまけ)
iPhoneで電子書籍を2冊ほど読んでみました。
どちらも新書のボリュームでiPhoneだと650ページぐらいです。

結果として、1冊読むのに1時間ぐらいかかりました。
紙の本と比較すると2倍ぐらいかかっています。

これは1画面の情報量が少ないことが大きいです。
平均すると6秒に1回ページめくりをしていると思うのですが、実際にはそれよりも早いペースでめくっているので指が疲れてきます。
(個人的感覚は3秒に1回ぐらい???)


アプリは秀逸で読みやすいレイアウト、ページめくりもサクサク動くので全く問題ないです。
ただ、この単純作業の間隔が短いので、だんだん疲れてきてしまいます。

5分も経つと指が痛くなってきて読むペースが落ちてきます。
(正確には読むスピードは落ちていないがめくるのが遅くなる。片手親指操作がいけないかも。もう片方のひとさし指でめくっていけば大丈夫?ケータイでメールを打っている人は親指が鍛えられているから大丈夫?)

ということで、電車の移動など隙間で読むのが最適です。
まとまった時間で読むには適さないかなと思いました。

また電子書籍のおかげで洋書が気軽に読めるようになったのは凄いですね。
日本は日本語で流通させるわけにはいかないでしょうから、世界に打って出る時に言語の壁がどれくらいの制約になるか個人的には興味があります。

BusinessWeekも紙だと発売から何日か遅れて届いて700円,800円ぐらいしていたと思うのですが、それがリアルタイムかつ1ドルをきる値段で読めています。(ごめんなさい。細かい数字は記憶があやふやです。)

これからどんな感じになるのか、たくさんの本に触れながら楽しみつもりです。