2012/04/13

心と体が正反対でストレスフルだと、仕事がうまくいく話

仕事柄、いろいろな方とお会いして話をする機会を頂いています。

そこで出てくるマネジメント関係の話で、あるあるネタだけど、意外と触れられていない内容に、今回は触れてみようと思います。

チームや会社内の情報共有を円滑にしたい・・・と思っている方にちょっとしたヒントになれば幸いです。

と言いながら、よく聞くあるあるネタではなく、私自身の経験談を例に進めていきますが、私が新しいプロジェクトに参画する際に相手からよく聞かれる質問があります。

それは・・・

「どのようにプロジェクトマネジメントをしていますか?」

みたいな質問です。


と、書くと小難しい印象を持たれてしまうので、単純な話にすると・・・

「メンバーの仕事の進捗をどうやって管理していますか?」

と、聞かれることが多いです。


もし、あなたがこの質問をされたら、どう答えますか?


私はざっくりこんな感じで答えています。


「仕事の見通しを把握するようにしています。」


これはどういうことかと言うと、例えば5営業日でできる仕事があったとします。
月曜から始めて今日は木曜日。


「進捗率は?」

と聞くと

「80%」

と返ってきました。


順調ですね。予定通りです。


・・・と思ったら金曜になぜか終わっていない。。。


残り20%を仕上げるのに80%の時間を使う・・・という言葉があるくらいですから、過去の状況で判断しても未来がその通りに行くとは限りません。


なので、仕事の見通しを把握します。

具体的には・・・

「残りどれくらいの時間がかかる?」
「もし遅れるとしたら何が原因になりそう?」
「こちらで助けられることってある?」

などなど、将来発生しそうな問題に事前に手を打てるのであれば、手を打とうと画策します。


・・・というのが、今までやってきた仕事の進捗の管理です。


・・・という話を聞いた相手が一言。


「相手は本当に正確な見通しや情報を伝えてくれるんですか?」
「理屈はわかりますが、それって性善説に立っていますよね。」
「なかなかそうできるとは限らないのですが・・・。」


つまり、見通しを立てることはできるが、それを素直に伝えてくれるの?
遅れそうな悪い情報を流してくれるの?
本当に遅れが確定的になるまで、隠し通すのが普通じゃない?


と、言うわけです。

まあ、普通はそうですよね。

それで遅れ出して火消しに走りまわることになる・・・というのが現実的な話です。


ということで、これまで私が参画したプロジェクトが運が良かっただけかもしれません・・・なんて言ったら身も蓋もありませんよね。笑


ということで、相手から素直に情報を引き出すために気を付けている点と言うかポイントを整理したいと思います。


気を付けている点はたったのひとつです。


”情報に反応するのではなく、対応するようにする”


これはどういうことかと言うと・・・


悪い情報が流れてきたとします。


この時、自分の気持ちに素直に「反応」してしまうと・・・


嫌な顔をしてしまう

「何でそんなことになったんだ!」と声を荒げてしまう


などなど、ネガティブな感情が出てきてしまいます。

それを見たら・・・普通はできるだけ、そんな悪い情報を流すのはやめようと思いますよね。

となると、些細なことでも悪い情報は避けがちになります。

そして、避けられない大きな悪い情報になって初めて明るみになる。


こうならないように、「対応」するようにしています。

悪い表情、感情をできるだけ悟られないようにして・・・。

で、できる人や私が尊敬する先輩方達は、悪い報告をした人を積極的に褒めたりしているのですが、自分自身そこまで出来た人間ではありません。


そこでどうしているか・・・というと、


よっしゃー、出てきた問題や課題をぶっ潰しますかー


みたいな感じで、タスクとして認識するスタンスを取っています。


暇しているから、小難しい問題や課題があったら何でも言ってね。
一緒に潰しましょー。


というメッセージを投げています。

そこで、相手も最初は半信半疑だったりするのですが、一旦、一緒に問題を潰すと、それ以降は割と気軽に話をしてくれるようになります。


これって、仕事が大変そうなイメージがあるかもしれません。

とは言え、実際は、問題が大きくなってからの対応は、打ち手が限られたり労力も大きかったりしますが、予防の観点から、早い段階で問題の芽が掴めると、火消しに比べると圧倒的にやりやすかったりします。(少なくともスケジュールはコントロールできますし・・・。)


ということで、結論じみたまとめです。


悪い情報や報告こそ、嬉しそうな表情や積極的に感謝の言葉を投げかけていこう!!


とは言え、心と体が正反対の状態でなかなかにストレスフルですよね。

トップマネジメントの方達と話をしていると、この辺のストレス話は結構盛り上がったりします。笑

また、中にはそのまま怒りを出して、その恐怖で持って、ことを上手く進めていく方もいますし、やり方は千差万別でとても興味深いです。


と言いつつも、やっぱり仕事をしているのであれば、報告をしたら褒められたい、自分の仕事は認められたい・・・という欲求があるのは、当然の話ですので、仕事で結果を出したい・・・と思うのであれば、職位が上に行けば行くほど、悪い情報は嬉しそうに接した方が、周りも楽しく仕事ができるような気がしています。

これって、スキルで何とかできる話なのかよくわかりませんが、個人の性格は少なからず関係があるかもしれませんね。


また、面白いことに悪い情報に嬉しそうに接していると、優秀なビジネスパーソンとそうではない方の見分けがついちゃったりします。


優秀な方は、悪い情報・・・例えば進捗が遅れる・・・などがあると、その結果をきちんと反省しています。

本来であれば、怒られるのも仕方ないのに、それを嬉しそうに・・・なんてことになると、次はもう同じことは繰り返せない・・・と必死になります。

怒られる・・・という当たり前の反応の方がわかりやすくてホッとしますよね。
頭下げて嵐が過ぎるのを待つ方法が取れます。


それが取れないとなると、この先、何かしでかしたら、何やってくるのかわからんぞ・・・という多少の危機感を持つのかもしれません。



一方、優秀でない方になると、悪い情報・・・例えば進捗が遅れる・・・となって、怒られないとなると・・・。


ああ、怒られないんだ・・・。


と、安心して、また同じように遅れます。笑


・・・みたいな話は、たくさんあるみたいですね。

この辺もあるあるネタでよく盛り上がります。



ということで、あるあるネタを書いてしまったら、結局、みんなが知っているネタなので、今回の狙いであるチームや会社内の情報共有を円滑にしたい・・・と思っている方にちょっとしたヒントに・・・という話は達成できないんじゃないの・・・という危機感があったりします・・・。

が、個人的には、この辺の感情をどうコントロールするか・・・と言う話は、スキルになりにくいせいなのか、ビジネス本などであまり見かけず、実際に苦労している方の話を伺う中で、気が付くことが多いです。

そんな苦労話を共有した気になって、今回は終わりにしたいと思います。

2012/04/04

真似る所と、真似ない所

新年度が始まりました。

昨日は全国的に暴風が凄くて波乱の幕開けといった感じですが、この時期は何かと新鮮な気分になります。

気持ちは新鮮・・・と言えど、環境や立場が随分と変わってしまったのですが、今、振り返っても、若かりし頃の自分はつくづく運が良かったです。

その運の良さが、今、楽しく仕事が出来ていることに繋がっているのかなと。

今回はそのような話を書いてみようと思います。

楽しく仕事ができる環境作りのヒントになればいいなあと思っています。




さて、運が良かった・・・とは、どういうことなのか?

それは、ライバルとなる同期やモデルとなるような先輩がたくさんいた・・・ということです。

基本的に彼ら、彼女らの真似をしていれば、どんどんパワーアップしていきます。

結論じみた言い方をすると、良き仲間を早くたくさん見つけてね・・・という話かもしれないですね。


・・・なんですけれど、今、思うとその真似もいろいろあるなあと思いました。

この辺は、マネジメントの立場に立つと、ちょっと考えるポイントの一つでもあるので、ダラダラと書いていこうと思います。


例えば、仕事で同期がお客様や先輩から評価されているとします。

となると、自分も負けずに同じことをしようとしますよね?

自分も若かりし頃はそうやって評価してもらえるよう努力しました。

が、しかし・・・。

それではオリジナルには勝てない。笑

つまり、二番煎じでは、新鮮さや驚きもないですし、何より時間が遅い。



???



ちょっとフワッとした話でわかりにくいですね。

ということで、実際の私の経験を書いてみようと思います。
(仕事内容が内容なので、これも抽象的でフワッとしちゃいますが・・・。)


あるプロジェクトで業務プロセスの見直しを行っていました。

そこで同期は、新しい業務プロセスを構築しました。

今までは、各部門から上がってきたデータをそのままにしていたのですが、そのデータを使用して意思決定や次の行動に繋げる・・・。

そのために、どのようなデータをシステムに表示するか、誰がどのタイミングで見て・・・などをどんどん決めていきます。

自分なりに考えてお客様に提案していましたが、かなり高評価を得ていました。


それを横で見ていた私は、当然同じことをしようとします。

自分が担当している業務プロセスの見直しで意気込みます。

が、しかし、提案しようにも、何が価値があるのかわからない。。。


そこでお客様に聞きました。

「この業務って、何で必要なんですか?」
「これをすることで、どこにどのような影響があるんですか?」
「この業務がないと、誰が困るんですか?」


提案できる糸口を見つけようと質問の嵐です。


すると・・・

「うーん、何でだろう???」


と考え込んだお客様が一言。


「この業務はいらないかな・・・。」


おっと、業務プロセス見直しから業務自体がなくなってしまいました。


じゃあ、次の業務プロセスで・・・


と意気込むと・・・



こちらもなくなってしまいました。。。


・・・みたいなことが連続して起こります。


全てなくならないまでも、業務自体がどんどん単純化されていきます。

自分が提案できる所は全くありません。


うーん、これじゃあダメだあ。
オレ、全然仕事していないじゃん。


と、かなり激しく悩みました。




が、お客様はとても喜んでいます。



????



そうなんです。

今だからこそ、笑い話ですが、自分は知らず知らずのうちに、業務のムリ、ムラ、ムダを省いていました。


付加価値を付けることはできませんでしたが、充分仕事をしていたのです。

同期がプラスの仕事をしているとしたら、自分はマイナスの仕事をしていました。


これまた下手な例え話ですが、同じFWというポジションで、一方がポストプレーで評価されていた・・・。

なので、一生懸命自分もポストプレーをしようとしたけれど、身長もフィジカルも足りなくて全然できない。

でも、味方のパスで裏のスペースに抜けたら、うまくいった。
自分は相手のマークを外して抜けるスピードがあった・・・みたいな・・・。


・・・と、好きなサッカーで表現したかっただけの自己満足ですが、同じ立場でも役割が違うと・・・。


サッカーであれば、何となくわかりそうですが、先ほどの仕事の例だと、なかなかわからないですよね。

お客様の立場に立つと、対象となっている業務プロセスで、どちらを採用した方がいいのかわかりません。

従って、基本的にはプラスとマイナス両方できるスキルがあればいいのですが、正直、自分を振り返ると、プラスの仕事はあまり得意ではありません。

なので、ここはプロにお任せすることが多いです。
一方でマイナスを担当することで、プラスとマイナス両天秤にかけて、どっちにするか・・・みたいなことが多いかも。


ということで、マネジメントの立場から見ると、目標、目的、方向性といった所からみれば同じ、もちろん立場も同じ・・・といった状況でも、実際の行動、成果物で見ると、人それぞれ全く違うものがある・・・というのは強く認識しておいた方がいいと思っています。


何かを評価、表彰する時は、裏を返すと「同じことを他の人もしてね」というメッセージだと思いますが、必ずしもそれ一つではない・・・ということかもしれません。


使い古された表現ですが、結果は同じでも、そのプロセスはたくさんある。

だからこそ、個人個人の面倒をきちんと見てあげないと、本人にとってもったいない行動をしてしまう可能性がありますよね。


自分はたまたまお客様が喜んでいることに気が付きましたので、良かったですが、もし気付かなかったとしたら、仕事で結果が出せていない・・・といつまでも苦しんでいたと思います。


ということで、どこを真似て、どこを真似なくて良いのか・・・というバランスをどう伝え共有していくか・・・。

プロセスは当然のことながら、目指す結果も定性的なものであれば、かなり解釈に幅がでてきてしまいそうです。

全体最適と個別最適の話など、バランス感覚が求められそうですね。


ということで、この話をしようと思ったのですが、バランス・・・というと具体的な事例があった方が良さそうです。

で、考えると、今回の例のように、イマイチうまく表現できなさそう。

自分もまだまだ・・・な所かもしれません。

会話であれば多少は許されますが、文章に落とすには、まだもう少し整理する必要がありそうです。

ということで、機会があったら、この辺も書いてみますね。