2007/01/10

機会の平等、結果の平等

そろそろ周りの新年気分も抜けてきたかな・・・ということで、いろいろな方にお会いしながら、貴重な話をお伺いする機会が増えてきている。

そこで最近、お会いする方達と、人材育成・開発に関連するお話をお伺いして感じたことは、「機会の平等」と「結果の平等」について。

自分が学生の頃(随分前になりますが・・・)と比較して、今の学生や新入社員の方達は、徒競走で手を繋ぎながら一緒にゴールするなど、優劣や勝敗をはっきりとさせない機会が多いみたいです。

そして、就職活動・職場でいきなり「自分らしさ」を求められてしまう。

一緒にゴールをしていたら、自分は走ることが得意なのか苦手なのかわからない。
(好きか嫌いかは判断できるかもしれませんが・・・。)

ということで、「自分とは・・・」と悩まれている方がいるみたいです。

そして社会環境を見ると、ますます「やればやっただけ報われる社会」になってきていると思います。

「やればやっただけ報われる社会」というのは・・・
1、願わないと始まらない
2、行動しないと、その願いは叶わない

と言えると思います。

願いを明確にして行動すればするほど報われるので、全く行動しない方との差は鮮明になっていくと思います。

ざっくりと、いい加減な言い方をすると・・・

今までは
・学生時代は「結果の平等」はなかったが、社会環境は「結果の平等」があった。

現在は
・学生時代は「結果の平等」があり、社会環境に「結果の平等」はない。

負けて悔しい、勝って嬉しい、頑張ったことが報われた・・・という経験を積む中で、夢や希望、やりたいこと、やりたくないこと、好きなこと、嫌いなことがわかってくるので、その機会が少ない環境に置かれてしまうのは、かわいそうだなと思います。

そして、とても怖いのは、このような環境ではどんなに「機会の平等」を用意したとしても、「結果の平等」を経験しているが故に、冷めてしまうこと。

ある種の諦めが、夢を持つことを奪ってしまう・・・。

ということで「負」の部分にフォーカスしてみましたが、人材育成・開発という話になると、どうしてもこういった負の部分を解決しようとなりがちです。

ただこれは一面でしかなく、一方で優秀でやる気に満ちた方も数多くいます。
そのような方達に、もっと活躍してもらうのも、立派な人材育成・開発。

どちらに焦点を当てるかは、会社の文化や方針に拠るかもしれませんが、クライアント様と関係する人達(お客様、取引先、社員などなど)がベストな環境は何かを一緒に考え、実現できるといいなと思いつつ、仕事をしています。