新年にプロジェクトの振り返り
あるプロジェクトの出来事です。
旧システムから新システムへの切替で、グループ会社を含めた全社施策で、関係各所が100箇所を超えるプロジェクトでした。
各社各部ごとに順次切替を行っていきます。
4ヶ月強の活動で進捗率が32%。
この段階で計画から大幅の遅延。
残り4ヶ月で全てを終わらせないといけない状態でした。
同じ期間で2倍の切替作業をこなさないといけない。。。
仕事をさぼっているわけでもなく、システム的な制約など自分達で制御できないものに引きずられなかなか進まなかったこともあり、プロジェクトメンバーが「絶対に終わらない」と、みんなの前で発言。完全に諦めムードでした。
しかし、3.5ヶ月で残り全てを完了しました。
同じ期間をかけずに2倍の成果が出たのは、なぜか?
一体、何がポイントだったのか?
プロジェクトは終わりがあるもの。
また計画は常に揺れ動くもの。
今後に活かせる何かヒントになればと思い書いておきます。
残り4ヶ月で全てを終わらせないといけない。
実はこの段階で2名要員の交代が行われています。
新しいメンバーは当然、このプロジェクトのことは何も知らない。。。
と、この段階で打った施策は下記となります。
・分業、作業の専門化。
→各社各部署で担当を付け、ユーザとの調整、実施作業を一気通貫で行っていました。
しかし、なかなか進まなかったこともあり、下記変更を行いました。
ユーザコミュニケーションだけを行う担当と、実施作業もボトルネックとなりそうな工数がかかる作業は専業の担当者を割り当て実施しました。
全体の流れがわからない新規メンバーをボトルネックとなりそうな作業に割り当て、まずはそこをこなしながら前後作業を覚えていく形です。
これにより最初の1ヶ月でユーザ調整がほとんど終わり、後続の作業も進めやすくなりました。
また、ボトルネックとなりそうな作業も新規メンバーの活躍もあり事前に潰すことができました。
・ボトルネックの発見と解消
→ボトルネックとなりそうな作業を事前に潰した・・・と書きましたが、ボトルネックを解消すると当然新たなボトルネックが出てきます。
そのボトルネックを見つけては潰し、見つけては潰しの繰り返しを行いました。
大事なのは、仮説と検証。
期待する数字と実際の結果を見比べて、打てる手は全て打っていった感じです。
・作業の細分化(アイドル時間、待ち時間を減らす)
→作業効率を考えると、まとめてやった方がよい・・・という作業があります。
ただし、一部ユーザの合意、調整ができておらず、止まっている・・・みたいなものは、その部分は除き、出来る所はどんどん着手するようにしました。
作業を行う方からすれば、効率が悪く作業の手間が増えるので、ものすごく抵抗がありました。
ここは効率が悪くなる部分は認め、余計な工数がかかることを許容し(おそらくみんな不本意であったと思いますが)実施してもらいました。
実施してもらった背景は、切替作業にはシステム的な制約・上限があり、ここがボトルネックとなっていたからです。
ボトルネックは最大限活用するのは鉄則。そこで作業の非効率は受け入れても、ボトルネックのスループットは下げないよう実施しました。
ということで、結果は出たのですが、進めている時は当然リスクがいっぱいです。
今回は下記のようなデメリットと言うべきか、問題をはらんでいました。
<分業、作業の専門化によるデメリット>
・メンバー依存になる。そのメンバーがいなくなった時に対応できない。
→これまで全然進まず精神的に疲れていたのか、実際には何回か休んでしまいピンチ!・・・みたいなことがありました。
また、ユーザコミュニケーションなどは情報の連携をうまくしないと、作業が抜け漏れます。
調整によって変更になった情報を共有できないと、前提条件を間違えたまま誤った作業を行ってしまいます。
これも実はがっつり発生しています。
また、下記弊害もあります。
・背景や経緯がわからなくなるため、作業の指示待ちが発生する。自分で判断して行動を起こしにくくなる。
情報の格差がないようできるだけ共有しても、全員に対してうまく伝わることはありません。
議事録を残しても、口頭で伝えても・・・です。
基本的に伝わらない前提でいた方がいい。
従って、作業計画や事前レビュー、チェックリストの活用など、作業をモニタリングする仕掛けが効果的です。
また、ボトルネックの発見と解消では注意点があります。
それはプロジェクトオーナーなど決裁権のある意思決定者との情報共有です。
実際ボトルネックの解消にはお金がかかる・・・など、それなりの意思決定が求められる可能性があります。
意思決定スピードを上げるためには、意思決定者がそのプロジェクトの状況を把握しておく必要があります。
なぜそうなったのか?今、どのような状況なのか?
なぜ、それをやらないといけないのか?
といった背景の説明からしなければならないと、どうしてもスピードが遅くなります。
背景はわかった上で、意思決定、判断をしていきたい所です。
従って、平時の情報共有はもちろん、プロジェクトにドライブをかけたければ、情報共有の頻度は上げていく方が良さそうです。
と、ざっくりと書いてきました。
実は、プロジェクトメンバーが「絶対に終わらない」と、みんなの前で発言した時に、私はこう返しました。
「客観的な数字や今置かれている事実で評価すると絶対に終わらないのは確か。
だからと言って諦めて手を抜くのは、お金をもらって仕事をしているプロじゃなくアマチュア。
絶対に終わらない状況だけれども真剣にやって、あらゆる手段を尽くしてベストを尽くして、もしそれでもダメだったら諦めよう。
また、そのような中でやっていたら、結果は出せなかったけれど、プロセスを評価してくれて次に繋がるかもしれない。
諦めて手を抜いたら、次には絶対繋がらないから、とりあえずやっていこう。」
と、思いっきり精神論を述べています。笑
実際、何となく真面目にやっている人達に酷い仕打ちをするほど世の中酷くはないだろう・・・というあまーい根拠のない楽観主義なだけなのですが、面白いことに結果が出ています。
たぶん世の中ってそういうもんなんだろうなと、この経験を通じてまたひとつ偏見を持ってしまいました。笑
旧システムから新システムへの切替で、グループ会社を含めた全社施策で、関係各所が100箇所を超えるプロジェクトでした。
各社各部ごとに順次切替を行っていきます。
4ヶ月強の活動で進捗率が32%。
この段階で計画から大幅の遅延。
残り4ヶ月で全てを終わらせないといけない状態でした。
同じ期間で2倍の切替作業をこなさないといけない。。。
仕事をさぼっているわけでもなく、システム的な制約など自分達で制御できないものに引きずられなかなか進まなかったこともあり、プロジェクトメンバーが「絶対に終わらない」と、みんなの前で発言。完全に諦めムードでした。
しかし、3.5ヶ月で残り全てを完了しました。
同じ期間をかけずに2倍の成果が出たのは、なぜか?
一体、何がポイントだったのか?
プロジェクトは終わりがあるもの。
また計画は常に揺れ動くもの。
今後に活かせる何かヒントになればと思い書いておきます。
残り4ヶ月で全てを終わらせないといけない。
実はこの段階で2名要員の交代が行われています。
新しいメンバーは当然、このプロジェクトのことは何も知らない。。。
と、この段階で打った施策は下記となります。
・分業、作業の専門化。
→各社各部署で担当を付け、ユーザとの調整、実施作業を一気通貫で行っていました。
しかし、なかなか進まなかったこともあり、下記変更を行いました。
ユーザコミュニケーションだけを行う担当と、実施作業もボトルネックとなりそうな工数がかかる作業は専業の担当者を割り当て実施しました。
全体の流れがわからない新規メンバーをボトルネックとなりそうな作業に割り当て、まずはそこをこなしながら前後作業を覚えていく形です。
これにより最初の1ヶ月でユーザ調整がほとんど終わり、後続の作業も進めやすくなりました。
また、ボトルネックとなりそうな作業も新規メンバーの活躍もあり事前に潰すことができました。
・ボトルネックの発見と解消
→ボトルネックとなりそうな作業を事前に潰した・・・と書きましたが、ボトルネックを解消すると当然新たなボトルネックが出てきます。
そのボトルネックを見つけては潰し、見つけては潰しの繰り返しを行いました。
大事なのは、仮説と検証。
期待する数字と実際の結果を見比べて、打てる手は全て打っていった感じです。
・作業の細分化(アイドル時間、待ち時間を減らす)
→作業効率を考えると、まとめてやった方がよい・・・という作業があります。
ただし、一部ユーザの合意、調整ができておらず、止まっている・・・みたいなものは、その部分は除き、出来る所はどんどん着手するようにしました。
作業を行う方からすれば、効率が悪く作業の手間が増えるので、ものすごく抵抗がありました。
ここは効率が悪くなる部分は認め、余計な工数がかかることを許容し(おそらくみんな不本意であったと思いますが)実施してもらいました。
実施してもらった背景は、切替作業にはシステム的な制約・上限があり、ここがボトルネックとなっていたからです。
ボトルネックは最大限活用するのは鉄則。そこで作業の非効率は受け入れても、ボトルネックのスループットは下げないよう実施しました。
ということで、結果は出たのですが、進めている時は当然リスクがいっぱいです。
今回は下記のようなデメリットと言うべきか、問題をはらんでいました。
<分業、作業の専門化によるデメリット>
・メンバー依存になる。そのメンバーがいなくなった時に対応できない。
→これまで全然進まず精神的に疲れていたのか、実際には何回か休んでしまいピンチ!・・・みたいなことがありました。
また、ユーザコミュニケーションなどは情報の連携をうまくしないと、作業が抜け漏れます。
調整によって変更になった情報を共有できないと、前提条件を間違えたまま誤った作業を行ってしまいます。
これも実はがっつり発生しています。
また、下記弊害もあります。
・背景や経緯がわからなくなるため、作業の指示待ちが発生する。自分で判断して行動を起こしにくくなる。
情報の格差がないようできるだけ共有しても、全員に対してうまく伝わることはありません。
議事録を残しても、口頭で伝えても・・・です。
基本的に伝わらない前提でいた方がいい。
従って、作業計画や事前レビュー、チェックリストの活用など、作業をモニタリングする仕掛けが効果的です。
また、ボトルネックの発見と解消では注意点があります。
それはプロジェクトオーナーなど決裁権のある意思決定者との情報共有です。
実際ボトルネックの解消にはお金がかかる・・・など、それなりの意思決定が求められる可能性があります。
意思決定スピードを上げるためには、意思決定者がそのプロジェクトの状況を把握しておく必要があります。
なぜそうなったのか?今、どのような状況なのか?
なぜ、それをやらないといけないのか?
といった背景の説明からしなければならないと、どうしてもスピードが遅くなります。
背景はわかった上で、意思決定、判断をしていきたい所です。
従って、平時の情報共有はもちろん、プロジェクトにドライブをかけたければ、情報共有の頻度は上げていく方が良さそうです。
と、ざっくりと書いてきました。
実は、プロジェクトメンバーが「絶対に終わらない」と、みんなの前で発言した時に、私はこう返しました。
「客観的な数字や今置かれている事実で評価すると絶対に終わらないのは確か。
だからと言って諦めて手を抜くのは、お金をもらって仕事をしているプロじゃなくアマチュア。
絶対に終わらない状況だけれども真剣にやって、あらゆる手段を尽くしてベストを尽くして、もしそれでもダメだったら諦めよう。
また、そのような中でやっていたら、結果は出せなかったけれど、プロセスを評価してくれて次に繋がるかもしれない。
諦めて手を抜いたら、次には絶対繋がらないから、とりあえずやっていこう。」
と、思いっきり精神論を述べています。笑
実際、何となく真面目にやっている人達に酷い仕打ちをするほど世の中酷くはないだろう・・・というあまーい根拠のない楽観主義なだけなのですが、面白いことに結果が出ています。
たぶん世の中ってそういうもんなんだろうなと、この経験を通じてまたひとつ偏見を持ってしまいました。笑
0 Comments:
コメントを投稿
<< Home