2011/12/06

ある居酒屋での出来事

ちょっと古い話ですが、先日の居酒屋での出来事を記しておこうと思います。

答えのない話なので、何となくブログのアクセス数を減らしそうな気がするのですが(笑)、書き出すと頭の中がスッキリ&客観的に見ることができるので、残しておこうと思います。

お時間がある方だけお付き合いください。

先日、フットサルが終わった後に、みんなである居酒屋さんに入りました。

そこで、焼酎「ジャパン」にオレンジやらカルピスやらカシスやらソーダやら梅やら、好きなものをいろいろ混ぜ合せてデキャンタで注文できる飲み物がありました。

「ジャパン」という名前に反応した私達は「ザック・ジャパンを頼もう!」ということで、早速オーダーしました。
そのオーダーの際に、酔っ払いの悪い所ですね、ちょっと意地悪な注文をしました。

「えーっと、オレンジとカルピスを混ぜてください。」
「それを2つお願いします。」
「ひとつは4-3-2-1で、もうひとつは3-4-3で!」

さて、サッカーを知らない人にとっては、最後は何の事だかわかりませんよね?

もちろん、こちらも店員さんがキョトンとするのは当たり前だと思っていたのですが、意外や意外。

「かしこまりました。」

と、言って、注文を取り終えてしまいました。


しばらくして2本のデキャンタを店員さんが持ってきました。

「こちらが4-3-2-1で、こちらが3-4-3です。」
「3-4-3は攻撃的になっています。」


「攻撃的って何だ?」


気になった私達は早速飲み比べてみます。

すると、3-4-3はお酒が少し強めになっていました。


「おおっ、スゴイ!!」


店員さんのサービスにすっかり楽しくなった私達はさらにエスカレートします。(笑)
ザックジャパンだけじゃ飽き足らず、オフトジャパン、加茂ジャパン、ジーコジャパンやら、もうやりすぎです。


しかーし、店員さんの対応が凄かった。

メニューに書いていない果物(桃だったかな?)を入れたり、「帰化選手が入っているので、ちょっと濃いめです。」なんて言いながら、酒と味を調節したり・・・。

すっかり、このお店(というか、この店員さん)のファンになってしまいました。


どんな注文をしたら、おもしろいだろう?

次はどんなお酒が出てくるんだろう?

どんなコメントを残してくれるんだろう?


そんなワクワクと、飲んだ時の発見や意外性が楽しくて、大いに盛り上がりました。


さて、そんな素晴らしい体験をさせてもらったので、やっぱり、その秘訣は知りたい・・・というか、そういった良い話はどんどん広がって一人でも多く実践してもらいたい・・・と思って、考えてみます。


もし、この店員さんみたいな人になろうとしたら・・・。
ここでいう「なろう」・・・というのは、自分の普段の仕事でも活かそう・・・という意味です。

・会話術を学ぶ(スキル系)
・おもてなしの心を学ぶ(マインド系)

みたいな話があると思います。
ただ、居酒屋の会話を自分の普段の仕事に適用させるには、それなりの想像力と試行錯誤が必要となってきます。
なので、出来ると人と出来ない人がいそうですし、いずれにせよ、なかなか時間がかかりそうですね。

とは言え、「技を究める」話ではなく「芸を磨く」話だと思いますので、いずれにせよ、時間をかける話だとは思っています。


と、個人だけでみると、やれそうなことは限られてしまうので、もう少し話を広げてみます。

経営的視点で考えてみます。


どういった所に、時間やお金をかけるべきか?

考えただけでも、いろいろな要素が出てきます。


こういったおもてなしが出来そうな人を採用する、採用?

おもてなしができるような教育を行う、人材育成、人材開発?

こういった行動を評価に繋げる、評価制度?

サンクスカードなど、こういった行動を推奨する、仕掛けや組織風土?

おもてなしを表現した経営理念、ビジョン、ミッションや、顧客満足度を重視する経営方針?


個人だけを考えると、会話術に代表されるスキルと、おもてなしの心を鍛えるマインドと、せいぜい2つぐらいの強化しか浮かばないのですが、経営的視点でみると、打ち手は個人のパワーアップだけではなさそうです。


そして、このようなことを考える時に注意すべき点がひとつあると思います。


それは「一貫性」。


例えば、採用と教育、評価がバラバラだったら混乱しちゃいますよね。

人材育成で強化したのに、現場で実践されない・・・というのは、それが評価されないから・・・それが経営方針の方向性と異なるから・・・という理由かもしれません。
決して、その人の実力がないわけではない・・・ということです。


今回は、お客様の会話に応じて柔軟に対応することが評価されたわけですが、「早い」、「安い」を売りにしている会社が、お客様との会話に時間をかけたり、お酒を自分の裁量で自由にしてしまったら、利益を出すのは難しくなってしまいます。

どちらが良い悪い、正解はこちら・・・というわけではなく、一貫性を保つことがポイントなんだと思います。


さて、話はちょっと変わりますが、自分が人事部で教育担当で働いていた場合、こういった人材を現場に増やすために何をしようとするでしょうか?


研修などを実施するのは良さそうですよね。


ここで伝えたいのは、人は自分の役割に応じた打ち手を実施する・・・ということです。
権限があるというか、その責任を果たさないといけないわけですから当然ですよね。


でも、その権限や責任を超えて、他部門、他部署の人達と、一貫性を通すために、いろいろと考えたり行動できたりする人は、将来のマネジメント候補として貴重な人材だと思います。

忙しいのか、余裕がないのか、理由はさておき、そこまで話を広げて物事を考える人は、そんなにたくさんいる印象はないです。(他の人と差別化や、より大きな価値を提供したいと思うなら、ここかもしれないですよね。)
もちろん、それに従って、行動して周りを巻き込める人なんて、もっと限られるでしょう、おそらく。


ということで、そんな人達がもっと増えてくると面白そうだぞと思っています。

これはその会社に関わる人達だけではないはずです。


例えば、先ほどの例で行くと、研修会社。

導入事例の数や、導入している会社がどれだけ知名度があるか・・・などを採用してもらうに当たってアピールすることは多いと思いますが、会社の方針から始まって一貫性のある中で、これが最適・・・という提案の仕方ってしているのかどうか・・・。


直接見たことはなく、いろいろな人から話を聞くだけなので、何とも言えませんが、そこの一貫性を"徹底的に"こだわっているような印象は持っていないです。

一貫性があるからって採用されるわけじゃないし、そんなことを考えている人事担当ってあんまりいないし、その情報って取りにくいよね・・・という状況だからなのかもしれませんが、個人の集合体が組織であるならば、個人のパワーアップが組織のパワーアップに繋がるようにしたいですよね。


個人よりも組織(チームとも言えるかもしれないですね)を考えた方が、結局、個人のパワーアップに繋がりそうだなあなんて思いました。


ということで、個人のパワーアップを考えるがゆえに、組織としての一貫性を意識してしまう今日この頃です。
居酒屋の出来事をきっかけに、普段の仕事で、この辺を気にすると、いろいろな発見があります。

どういった形になるのかはわかりませんが、その発見を広く還元できるといいなと思いながら、日々行動しています。