8月31日病を、ぶっ潰せ!
12月も中旬に入ってきました。
一年あっという間ですね。
年末・・・ということで、忘年会のお誘いが多くなっています。
ということで、参加するのですが、たまーに「急に仕事が・・・。」ということで、キャンセルされたり、途中参加の人達も出てきます。
何となく日本文化というか日本人は仕事であればプライベートの予定は多少犠牲になってもやむなし・・・といった空気があるような気がしますが、グローバル人材、グローバルで活躍できる人達を増やす・・・なんて声をチラホラ聞いたり、実際に海外の人達と競争しているのを見ると、ちょっとしたことですが、この辺のバランスもしっかり取りたい所。
ということで、今回はこの辺を取り上げてみたいと思います。
懐かしい話ですが、学生時代、夏休みの宿題はいつやっていましたか?
7月中に全てを終えている人はほとんどいないのでは?
実際は8月31日に何とか終わらせる・・・というのがほとんどだったような気がします。
では、次の質問。
直近の仕事はいつ終わらせましたか?
期限ギリギリ?
それとも余裕を持って数日前?
これも期限ギリギリに終えていることが、ほとんどだと思います。
例えば、3日間(8時間 x 3営業日 = 24時間)で終わる仕事があったとしましょう。
このような仕事の場合、いつを期限にするか、お客様とどんな感じで話をしますか?
2日ほどバッファーを見て、「5日間(40時間)で出来ます。」とか、そんなところでしょうか・・・。
今日が金曜であれば、来週金曜を納期にする感じでしょうか・・・。
多くの方がバッファーを取って見積を行い、それに基づく期限を設定すると思います。
では、この仕事を実際進めていくとどうでしょう。
意外と、金曜夜に必死になって仕事をしていたりしませんか?
(そして忘年会に参加できなくなる・・・。)
話を聞くと、今日の午前中にお客様から連絡があって、緊急対応していたとのこと。
その半日分(4時間)のおかげで、今、夜に対応していると・・・。
何とか終電前に帰れるかどうか・・・。
まあ、突発業務が入ったらしょうがないですよね。
それじゃ、遅れるのも無理ありません。
・・・って、ちょっと待って下さい。
そんな時のために、バッファーを見ていたはずなのですが、そのバッファーはどこにいったんでしょう。
そう、これが8月31日病です。
期限直前になって着手をするので、何かあったら、すぐにオーバーフローをしてしまうのです。
バッファーがバッファーの役割をせずに、ただ時間が流れていってしまっているんです。
このような状況を世界的には、Student syndrome(学生シンドローム)というのですが、日本人には何となく8月31日病と言った方がイメージが付きやすいかな・・・と思って、私が勝手に8月31日病と言っていますが、この病に罹っている方は意外と多いのではないかと思います。
計画上は時間が十分に取られていたにも関わらず、実際の作業は余裕のない状態から始めてしまう。
従って、何かいつも締切、納期に追われ、精神的に落ち着かない・・・。
話を単純化して書いていますが、実際は、見積の精度にズレがあったりすると、さらに悲惨なことになります。
(世の常だと思いますが、見積のズレで早く終わる・・・よりも、余計に時間がかかることの方が圧倒的に多いですよね。先ほどの例でも2割ズレただけで、1日が潰れてしまいます。)
緊急度x重要度のマトリックスで、優先順位を決めるやり方がありますが、このやり方も気を付けないと、8月31日病に陥りやすい・・・ということです。
「緊急ではないが、重要なことをしなさい」とよく言われますが、そりゃわかっているけど、できないよ・・・と、緊急度の高いものをやっている人が多いハズです。
1、緊急度・高、重要度・高
2、緊急度・低、重要度・高
3、緊急度・高、重要度・低
4、緊急度・低、重要度・低
この話は元ネタがどこで、その人がどう言っているかは、ちょっとわからないのですが、本来はマトリックスで見て、それぞれ1-4全てに対して手を打たないといけないハズです。
しかし実際は上記のように1-4までの序列になっていて、1が終わったら2、2が終わったら3・・・みたいな形になっていることが多いのではないでしょうか?
そして1がなくなることはなく、2が1に昇格するのを待つのみ。
たまに3の重要度が高になって1に昇格。
4は永遠に残る・・・なんてことになっているような気がします。
(あくまでも勝手な想像ですけどね。)
となると、まだ時間に余裕がある段階では着手しないですよね。
プロジェクト・マネジメントの観点から言えば、各個人に任せると、どうしてもバッファーを設けて勝手に消費していってしまうので、そのバッファーをこちらで管理しつつ、一方でモチベーションを保つ期限設定のやり方があるのですが、その辺の話は、また別の機会にでも。
ここでは、個人として、どう対応できるか考えてみます。
個人的に好きなアプローチは、緊急度と重要度で優先順位なんて付けないで、「今ある仕事を全て終わらせるには・・・」というゼロベースで考える方法が好きなのですが、何となく万人受けしない、敵を作りそう・・・な気がするので(笑)、今までのやり方を踏襲することを前提にします。
ということで、8月31日病になっている人を見ていると、あることに気が付きました。
それは「開始時期を意識していない」ということ。
期限、納期はよく意識しているのですが、その仕事を始めるタイミングをいつにするのか・・・。
これが驚くほど曖昧な人が多いです。
(そして、どれくらい作業時間がかかるのか・・・ということも。)
もちろん感覚値で大体は掴んでいます。
(あ、これは3日間ぐらいでできるな。)
(今日は金曜で来週金曜期限・・・だから大丈夫だな。)
「やりましょう。」
そして、水曜ぐらいから作業を始めて、8月31日病に罹ります。
ということは、ここでひとつ処方箋が打てそうです。
普通、期限・納期から逆算して物事を考えますが、そうではなく現在から未来を見る形で進めていくとどうなるでしょう?
例えば、先ほどの例ですと・・・。
(あ、これは3日間ぐらいでできるな。)
(今日は金曜で・・・この仕事を始められるのは、火曜からか・・・なら、1日余裕があるから大丈夫だな。)
「やりましょう。」
これなら良さそうです。
仮に・・・
(あ、これは3日間ぐらいでできるな。)
(今日は金曜で・・・この仕事を始められるのは、木曜からか・・・ちょっと難しそうだな。)
このような状況なら、期限の調整や成果物の見直しの調整など、ちょっと議論が必要です。
ステップにすると・・・。
1、作業工数を見積もる
2、作業に着手する日時(開始時間)を確認する
3、相手が期待する期限内に収まっているか確認する
上記3で日数に余裕があれば、それがバッファーになります。
進捗会議的な話をすれば、上記2の時点で着手できていなければ、遅れ発生、緊急事態です。
見積精度を完全に無視していますが、このやり方であれば、予定通り開始できているか否かを注意すれば、大きな予定の狂いは出てきません。
(バッファーをバッファーとして使うことができる。)
上記2を意識しないで、感覚的に作業工数よりも期限が先にあれば、大丈夫だ・・・と、どんどん仕事を増やしていって、いつの間にかオーバーフローになっている人がとても多い印象です。
自分の状況(自分のリソース)を把握しないまま仕事を受けてしまっています。
(書いていて気付いたのですが、そういう状況の時に緊急度と重要度で優先順位付けって使いやすいですね。ちょっとだけ構造が見えてきたような気が・・・。)
期限は相手との合意ですが、「いつからやるの?」というのは、自分との約束です。
ある意味、破ってもその時点では誰にも迷惑をかけません。
意思決定の類のものなので、疎かになりがちですし、そこから逃げようとしがちです。
なので、理屈がわかったからと言って、すぐに改善できるかと言うと、そうではないような気がするのですが、期限以上に開始時間を意識するのは大切なような気がします。
また、ものすごーく細かい話をすると、見積精度だけではなく・・・
・上司から指示された仕事だから、そんなことできない
・仕事が期限より早く終わったら、今度からその期限でやらされない?
などなど、心理的なものや人間関係から来る課題もあったりします。
(もちろん課題なので、対応策はいくらでもあります。それが先ほどのプロジェクト・マネジメントでは・・・という話ですので、実際はそんなに悲観的にならなくても良いのですが・・・。)
そういうことも考慮すると、やっぱり、すぐにできる・・・と軽々しく言うのは慎んでおきますが、期限・締切を共有するのであれば、同じくらい開始時間を重要視して共有すると、仕事がやりやすくなってくるのではないかと思います。
ということで、納期を意識しないで済むような仕事の受け方をして、どんどん仕事をして、どんどん忘年会に参加してもらえれば。
今年はいろいろなことが起こって、大変でしたし(&まだ、それは終わっていないですよね)、来年以降も頑張るためにも忘年会でパーっとはっちゃけて、鋭気を養ってもらえれば。
一年あっという間ですね。
年末・・・ということで、忘年会のお誘いが多くなっています。
ということで、参加するのですが、たまーに「急に仕事が・・・。」ということで、キャンセルされたり、途中参加の人達も出てきます。
何となく日本文化というか日本人は仕事であればプライベートの予定は多少犠牲になってもやむなし・・・といった空気があるような気がしますが、グローバル人材、グローバルで活躍できる人達を増やす・・・なんて声をチラホラ聞いたり、実際に海外の人達と競争しているのを見ると、ちょっとしたことですが、この辺のバランスもしっかり取りたい所。
ということで、今回はこの辺を取り上げてみたいと思います。
懐かしい話ですが、学生時代、夏休みの宿題はいつやっていましたか?
7月中に全てを終えている人はほとんどいないのでは?
実際は8月31日に何とか終わらせる・・・というのがほとんどだったような気がします。
では、次の質問。
直近の仕事はいつ終わらせましたか?
期限ギリギリ?
それとも余裕を持って数日前?
これも期限ギリギリに終えていることが、ほとんどだと思います。
例えば、3日間(8時間 x 3営業日 = 24時間)で終わる仕事があったとしましょう。
このような仕事の場合、いつを期限にするか、お客様とどんな感じで話をしますか?
2日ほどバッファーを見て、「5日間(40時間)で出来ます。」とか、そんなところでしょうか・・・。
今日が金曜であれば、来週金曜を納期にする感じでしょうか・・・。
多くの方がバッファーを取って見積を行い、それに基づく期限を設定すると思います。
では、この仕事を実際進めていくとどうでしょう。
意外と、金曜夜に必死になって仕事をしていたりしませんか?
(そして忘年会に参加できなくなる・・・。)
話を聞くと、今日の午前中にお客様から連絡があって、緊急対応していたとのこと。
その半日分(4時間)のおかげで、今、夜に対応していると・・・。
何とか終電前に帰れるかどうか・・・。
まあ、突発業務が入ったらしょうがないですよね。
それじゃ、遅れるのも無理ありません。
・・・って、ちょっと待って下さい。
そんな時のために、バッファーを見ていたはずなのですが、そのバッファーはどこにいったんでしょう。
そう、これが8月31日病です。
期限直前になって着手をするので、何かあったら、すぐにオーバーフローをしてしまうのです。
バッファーがバッファーの役割をせずに、ただ時間が流れていってしまっているんです。
このような状況を世界的には、Student syndrome(学生シンドローム)というのですが、日本人には何となく8月31日病と言った方がイメージが付きやすいかな・・・と思って、私が勝手に8月31日病と言っていますが、この病に罹っている方は意外と多いのではないかと思います。
計画上は時間が十分に取られていたにも関わらず、実際の作業は余裕のない状態から始めてしまう。
従って、何かいつも締切、納期に追われ、精神的に落ち着かない・・・。
話を単純化して書いていますが、実際は、見積の精度にズレがあったりすると、さらに悲惨なことになります。
(世の常だと思いますが、見積のズレで早く終わる・・・よりも、余計に時間がかかることの方が圧倒的に多いですよね。先ほどの例でも2割ズレただけで、1日が潰れてしまいます。)
緊急度x重要度のマトリックスで、優先順位を決めるやり方がありますが、このやり方も気を付けないと、8月31日病に陥りやすい・・・ということです。
「緊急ではないが、重要なことをしなさい」とよく言われますが、そりゃわかっているけど、できないよ・・・と、緊急度の高いものをやっている人が多いハズです。
1、緊急度・高、重要度・高
2、緊急度・低、重要度・高
3、緊急度・高、重要度・低
4、緊急度・低、重要度・低
この話は元ネタがどこで、その人がどう言っているかは、ちょっとわからないのですが、本来はマトリックスで見て、それぞれ1-4全てに対して手を打たないといけないハズです。
しかし実際は上記のように1-4までの序列になっていて、1が終わったら2、2が終わったら3・・・みたいな形になっていることが多いのではないでしょうか?
そして1がなくなることはなく、2が1に昇格するのを待つのみ。
たまに3の重要度が高になって1に昇格。
4は永遠に残る・・・なんてことになっているような気がします。
(あくまでも勝手な想像ですけどね。)
となると、まだ時間に余裕がある段階では着手しないですよね。
プロジェクト・マネジメントの観点から言えば、各個人に任せると、どうしてもバッファーを設けて勝手に消費していってしまうので、そのバッファーをこちらで管理しつつ、一方でモチベーションを保つ期限設定のやり方があるのですが、その辺の話は、また別の機会にでも。
ここでは、個人として、どう対応できるか考えてみます。
個人的に好きなアプローチは、緊急度と重要度で優先順位なんて付けないで、「今ある仕事を全て終わらせるには・・・」というゼロベースで考える方法が好きなのですが、何となく万人受けしない、敵を作りそう・・・な気がするので(笑)、今までのやり方を踏襲することを前提にします。
ということで、8月31日病になっている人を見ていると、あることに気が付きました。
それは「開始時期を意識していない」ということ。
期限、納期はよく意識しているのですが、その仕事を始めるタイミングをいつにするのか・・・。
これが驚くほど曖昧な人が多いです。
(そして、どれくらい作業時間がかかるのか・・・ということも。)
もちろん感覚値で大体は掴んでいます。
(あ、これは3日間ぐらいでできるな。)
(今日は金曜で来週金曜期限・・・だから大丈夫だな。)
「やりましょう。」
そして、水曜ぐらいから作業を始めて、8月31日病に罹ります。
ということは、ここでひとつ処方箋が打てそうです。
普通、期限・納期から逆算して物事を考えますが、そうではなく現在から未来を見る形で進めていくとどうなるでしょう?
例えば、先ほどの例ですと・・・。
(あ、これは3日間ぐらいでできるな。)
(今日は金曜で・・・この仕事を始められるのは、火曜からか・・・なら、1日余裕があるから大丈夫だな。)
「やりましょう。」
これなら良さそうです。
仮に・・・
(あ、これは3日間ぐらいでできるな。)
(今日は金曜で・・・この仕事を始められるのは、木曜からか・・・ちょっと難しそうだな。)
このような状況なら、期限の調整や成果物の見直しの調整など、ちょっと議論が必要です。
ステップにすると・・・。
1、作業工数を見積もる
2、作業に着手する日時(開始時間)を確認する
3、相手が期待する期限内に収まっているか確認する
上記3で日数に余裕があれば、それがバッファーになります。
進捗会議的な話をすれば、上記2の時点で着手できていなければ、遅れ発生、緊急事態です。
見積精度を完全に無視していますが、このやり方であれば、予定通り開始できているか否かを注意すれば、大きな予定の狂いは出てきません。
(バッファーをバッファーとして使うことができる。)
上記2を意識しないで、感覚的に作業工数よりも期限が先にあれば、大丈夫だ・・・と、どんどん仕事を増やしていって、いつの間にかオーバーフローになっている人がとても多い印象です。
自分の状況(自分のリソース)を把握しないまま仕事を受けてしまっています。
(書いていて気付いたのですが、そういう状況の時に緊急度と重要度で優先順位付けって使いやすいですね。ちょっとだけ構造が見えてきたような気が・・・。)
期限は相手との合意ですが、「いつからやるの?」というのは、自分との約束です。
ある意味、破ってもその時点では誰にも迷惑をかけません。
意思決定の類のものなので、疎かになりがちですし、そこから逃げようとしがちです。
なので、理屈がわかったからと言って、すぐに改善できるかと言うと、そうではないような気がするのですが、期限以上に開始時間を意識するのは大切なような気がします。
また、ものすごーく細かい話をすると、見積精度だけではなく・・・
・上司から指示された仕事だから、そんなことできない
・仕事が期限より早く終わったら、今度からその期限でやらされない?
などなど、心理的なものや人間関係から来る課題もあったりします。
(もちろん課題なので、対応策はいくらでもあります。それが先ほどのプロジェクト・マネジメントでは・・・という話ですので、実際はそんなに悲観的にならなくても良いのですが・・・。)
そういうことも考慮すると、やっぱり、すぐにできる・・・と軽々しく言うのは慎んでおきますが、期限・締切を共有するのであれば、同じくらい開始時間を重要視して共有すると、仕事がやりやすくなってくるのではないかと思います。
ということで、納期を意識しないで済むような仕事の受け方をして、どんどん仕事をして、どんどん忘年会に参加してもらえれば。
今年はいろいろなことが起こって、大変でしたし(&まだ、それは終わっていないですよね)、来年以降も頑張るためにも忘年会でパーっとはっちゃけて、鋭気を養ってもらえれば。
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