2011/01/11

今どきの若者は内向き志向???

11年1月11日と1揃いなので、ブログを書いておきます。(笑)

最近、私の周りで「最近の若者は海外に行かなくなった。」、「留学者数が大きく減っている。」などの話をチラホラ聞くことが増えてきました。

その後の流れは当然、「このままじゃダメだ。」、「どげんかせんといかん。」、(ちょっとだけ今の若者はダメだなぁ。)となるわけですが、これどうでしょう???

昔の自分なら肌感覚で「そりゃ、違うでしょ。」と言えたのですが、さすがに肌感覚で否定できるほど若くはなくなってしまいました。

なので、若者の”立場に立って”考えてみたいと思います。

「このままじゃダメだ。」と言っている大人達も若者の”ために”考えてはいるのですが、若者の”立場に立って”みると、違ったものが見えてくるかもしれません。

お客様のために・・・ではなく、お客様の立場に立つとはどういうことか・・・。

ちょっとした思考訓練に良い素材だと思いますので、あなたもご一緒にお付き合いください。

さてさて、今どきの若者は本当に内向き志向なのでしょうか?

留学者数が前年比で10%を超える減少をみせた・・・というニュースもあるらしいのですが、この事実を持って内向き志向とは言い難いですよね。

真っ先に・・・親の経済的な問題を思い浮かべてしまいます。

その他にも自分の頃と比較すると、たくさんのツッコミどころが出てきます。

例えば・・・

・私の世代は大体170万人ぐらい。今年の新成人が120万人ぐらいなので、ざっくり2/3。
絶対的な母数が減っているので、そもそもゆるやかな減少傾向になりがちだよね。
(極端な減少だったら、それこそ経済的理由などの方が大きいんじゃない。)

・英語教育など日本語以外の教育にも力を入れているから、そもそも外に行かなくても学べるんじゃない。
子供の減少に危機感を持った学校が教育内容を充実させたんじゃない。
その流れで、受け入れ先の学校のレベルが落ちて魅力がなくなっているかも。

・いやいや、日本の生徒のレベルが下がって単純に合格できないんじゃない。
最近、競争がなくて学力低下が著しいとも聞くし・・・。

私たちの世代からすると、外(海外)に出る・・・というのは、何も知らない世界で、刺激に満ちたもの。
文化の違う人達との触れ合いなど、とにかく冒険色いっぱいのイメージがあります。

一方、今の若者たちにすれば、インターネットなどによって、外の世界に断片的に触れる機会が多い。
私たちが思っている以上に、心理的な遠さはないのかもしれません。

だから、留学と言ってわざわざ行く・・・という大げさなものではないのかもしれません。
(身近になったがゆえに、憧れもないので、行くインセンティブがないという・・・。)

欧米は減ったかもしれないけど、意外とアジア圏は増えていたりして。
(数字の出所はチェックした方が良さそうだ。)

私たちの世代だと欧米から学ぶ・・・という感覚があるかもしれないけど、今の若者にはないかも。

仕事感覚で言うと、最近、外に出る話はアジアが多くて、アジアではこちらが教える的な要素もあったりするから、何かを学びに外に出る感覚が、昔ほど周りから感じられないかも。

留学者や渡航者などの実数ベースで見ると、内向き志向に見えてしまうかもしれませんが、心構え的なものだけを見ると、よっぽどグローバル化しているのかもしれない・・・。

などなど、妄想を膨らませればいくらでも出てきます。

ということで、個人的には内向きになんかなってないんじゃないか・・・と思っていたりします。
(というか、これだけでは判断しにくい。)

まあ、大丈夫でしょ・・・と。

とは言え、このような状況は、仕事では何か手を打たなくちゃならない・・・となることはよくあります。

あなたがトップだったら、どうしますか?

「留学者数を増加させる施策を打つぞ!」とトップが言ったらどう思いますか?

全く本質がわかっていないなぁ・・・と思われるかもしれません。
減ったから増やす・・・それが簡単にできたら世話ないや・・・という話かもしれません。

ただ、数字ベースで話をすると、こういった悪い(と思われている)数字を反転させましょうという話はどこにでも出てくる話です。

ここでよくあるのが、この号令をかけたトップをバカにすること。

トップは実はめちゃくちゃ忙しいです。

従って、本質的に考えれば、「留学者数を増加させる」ことがズレているのはわかるのですが、そこは担当者に責任を委譲して任せているわけです。

そのため担当者が仕事をしないと、王様が裸になってしまう・・・。
(とは言え、この話に限ると、裏の話も考慮しないといけません。例えば、留学に関わる仕事をしている人達の雇用を守るとか、受け入れ先の国から圧力がかかったとか・・・。)

とんちんかんな話の場合は、たいてい、大人の事情があるんだろうな・・・と推察しますが、もし自分が担当者だったら、しっかりと仕事をしたいですよね?

では、今回の場合、どうしたらいいのでしょうか?

ざっくりとやった方が良さそうなことは2つ。

・「内向き志向」だったら何が悪いの?
(→内向き志向、外向き志向の定義をする。)

・それをどう判断(モニタリング)する?
(→評価指標の話。決してアンケートで聞くのではなく、行動ベースでそう言えるものがないか探す。)

そして初めて具体的な施策を考えて実行すると。

これ、考えるのはとても面白そうですが、真剣にやると長くなるので割愛します。
それにしても、まぁ、簡単に内向き志向・・・と決めつけるのは良くないですよね。

単純な話、センセーショナルな見出しを付けたいメディア、そして、若者には基本苦言を呈したくなる大人(自分の権威を見せたい、守りたい大人)が発信した情報を、こちらが受け取って、人伝い、口伝いで、そんな空気が出来つつあるのかなぁ・・・という話かもしれません。

そもそもの出だしが怪しいですが、それに振り回されずに行きたいですね。

歳を重ねて感じるようになりましたが、基本的に若者の方が優秀です。
(優秀じゃなかったら人類なんて、とっくの昔に滅びているハズ。)
だから大人はどうしても、それを恐れて、自分を守るためにいろいろと茶々を入れたくなるんです。
(たぶん・・・。)

なので、とやかく言われても気にせず、迷わず行けよ行けばわかるさ、行くぞー。
(と、アントニオ猪木氏の流れにつなげてみたくなりました。)