2010/12/26

会社を良くするためには

2010年ももうすぐ終わりですね。
私の周りでも早い方はもうお休みに入っています。

今回のエントリですが、2011年に向けて、ちょっと考えたことを書いておきます。
自分や自社をより良くしたい・・・と思っているあなたにちょっとしたヒントになれば幸いです。

突然ですが、私が就職活動をしている時に印象に残っている会社があります。
それは株価100円割れの企業です。

社内に入ると、空気がどよーんとしていて、活気がありません。
面接が始まるまで待っていたのですが、その空気に押されたのか、こちらも気持ち悪くなって体調を崩した記憶があります。(ということで、悪い方に出てしまっていますが、組織のパワーというか空気の力ってスゴイですよね。)

その会社での面接のお話です。

履歴書を見た採用担当者の方が、私がサッカー好きなのを知ってこんな質問をしました。

「日本のサッカーを強くするためには、何をすれば良いですか?」

さて問題です。
この質問をされたら、あなたは何て答えますか?




どうでしょう?何か答えが出てきましたか?

さて次の質問です。

この採用担当者の方は、この質問で何を聞きたかったのでしょうか?
(質問の目的は何だったのでしょうか?)

ちなみに最初の質問ではなかったので、アイスブレークの質問ではありません。
息抜きに途中で入れた可能性はありますが、採用面接の質問と考えます。
(少なくとも応募者はそう思っているわけですから。)


学生だった当時の私はその質問を聞いた瞬間にこう思いました。

(日本サッカーって範囲が広すぎ。)
(強くするって、いつまでに?どこまで?どのカテゴリ?どの大会?お金とか制限ないの?)
(一体、何を見たいんだ?この方は何を期待しているんだ?)
(発想力が見たい?でもこれじゃあ、アイディアレベルだから際限なく出てくるぞ。)
(うーん、わからん。)

ということで、良くわからなかったので
「仮に20年後に日本代表がワールドカップで優勝争いができるぐらい、今で言えばフランス代表(当時のワールドカップ優勝国)ぐらいの強さになるためには、こうした方が良いと思います。」と、仮置きしてアイディアを説明した記憶があります。

今思えば、よくわからなかったので逆質問をして相手の真意を探る方法があったなぁと思いますが、当時、面接で聞かれたら即答しなきゃ・・・と思っていたので、こんな形になってしまいました。

で、怖いなぁと思うのはここからです。

実はこの質問をされた時にこうも思いました。

(意味のわからない質問だ。こんな質問をするような会社だから、大したことないな。この会社に行くのはやめよう。)

と、志望を取りやめたことです。
結局、体調がすぐれないこともあって、席を立ったのですが、企業が学生を見ているのと同じように、学生も企業を見ている・・・対等の立場である・・・だけに、お互い真剣に取り組みたい所です。

さてさて、ちょっと脱線してしまいましたが、ここでのポイントは一つ。

細かい条件設定をしなければ(アイディアレベルであれば)、ネタは際限なく出てくる・・・ということです。

「会社を良くするためには?」、「自分をパワーアップさせるには?」

これだけだったら、実現可能性も考えなくていいし、お金も時間も際限なく使っていいだろうし何でもOKですよね。

もしこの段階でアイディアが出なかった場合は、勝手に自分で条件設定をしている可能性があります。
その条件を洗い出して、それがなければ・・・とすればアイディアは出てくると思います。

優れているか優れていないかはさておきアイディアのネタは出てくる・・・となると、その選別作業がポイントになってきます。

選別作業の際にオススメ・・・というか、個人的に気を付けていることを書いておきます。
それは「目先にこだわっているか」ということです。

自社にせよ、会社にせよ良くする・・・ということは「あるべき姿」が存在します。

理想は「あるべき姿」と「今の姿」を比較して、そのギャップを埋める・・・と言う形ですが、「あるべき姿」を描くのはなかなか難しい。

正直、理想は「あるべき姿」を描くことですよね。

でもそれは大変なので、別の機会に譲ってしまいましょう。(笑)

自分の将来の姿が描けなくっても構いません。
とは言え、変化に対応する必要がありますので、そんな時は、目先の姿にこだわってみると良いと思います。

目先の姿が、今より良くなればそれでいいじゃん・・・と言う形です。

この方法にはメリットが2点あります。

・少なくとも昨日よりはパワーアップしているので、その積み重ねの流れで「あるべき姿」が少しずつ見えてくる。
・「あるべき姿」が見えた時、バカにされないで応援してもらえる。

どういうことか、私を例にして説明します。

会社員時代の私は「あるべき姿」は正直わかりませんでした。
とは言え、自分をより良くしたい・・・とは思っていましたので、目先の姿を描いています。

それは目の前のお客様に「あなたがいてくれて良かった」、「あなたがいたから助かった」と言ってもらえること。

これも設定したと言うより、たまたま最初の仕事でお客様に言われ、とても感動(&嬉しかった)したので、それ以来、そのことを意識するようになった・・・という偶然ではあるのですが、そんなことを考えていました。

「あなたがいてくれて良かった」、「あなたがいたから助かった」と思ってくれるためには、何をしたら良いだろう?

こう考えると「今の仕事を予定より早く終わらせると、こんないいことがあるぞ」とか具体的な行動アイディアが出てきます。

それを地道に実践する・・・という毎日でした。

「グローバルで通用するビジネスパーソン」というあるべき姿が描けなかったので、「目の前にいるお客様に頼られるビジネスパーソン」を目指していたのです。

普段行っていたことは、小さなことだったかもしれませんが、頑張っていると報われます。

私が起業した際に、周りの方は応援してくれました。

もしこれが目の前の仕事や目先のことで、頑張っていなかったら「起業する」とか「グローバルで通用する起業家」なんて「あるべき姿」を見せた際に、「あいつ、何言ってんだよ」と思われてしまうと思います。

当然ですよね?

あるべき姿は、とっても大きなものです。

目先のことも満足にできないのに、大きなことなんてできるはずがない・・・そう思われて笑われてしまう。

笑われないで応援してもらうためにも、目の前のこと(自分に関わりあいのあること)を全力でやることは良さそうです。

ということで、会社や自社を良くするために・・・と考える際に気を付けるポイントは、こんな感じでしょうか?

・「あるべき姿」を明確にすることにこだわりすぎない。
・今すぐ具体的に行動できることをアイディアに出す(目の前のことを疎かにしない。)

そして、アイディアの選別作業では

・今すぐ実行できる?
・無理なく負担なく実行できる?

など、実現可能性やスピード感を主眼に置いて、やるorやらないの選別をしていました。

スティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学での卒業式スピーチでこんなことを言っていました。

"先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じなければならない。"

スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチ

ということで、将来に悶々とするぐらいなら、よくわからんけど今を全力で当たれば、世の中そんなに悪くはならんだろうと。
私も、この感覚はとても強く持っています。

なので、来年も全力で突っ走ると。
ジョブズ氏のスピーチの締めくくりの言葉と共に。

Stay foolish, Stay hungry.