2009/10/27

マラソンから学ぶコミットメントをする方法 その1

東京マラソンに当選したので、美ジョガーになるべくトレーニングをしているのですが、雨が降っていると走ることができなくて、ちょっと残念な今日この頃。

ということで、マラソンに向けたトレーニング話を、酒の席でネタにしているのですが、そこで、交わされたやりとりから、仕事に役立つヒントに展開してみたいと思います。

しょーもない話から仕事で「しっかりコミットメントしたい」という意欲的な方のお役に立てるような内容にしたいと思います。

さてさて、「マラソンのトレーニングをしている」、「普段は自転車で通勤している」・・・という話をするとみなさん、「健康を考えているんですね。」、「アンチエイジングですか?」など、健康に関連した話題に持っていく方が非常に多いです。

それだけ健康というテーマが注目されている証拠なのかもしれません。

しかし、やっているこちらは全く健康に興味がない!!

自転車通勤の理由は簡単。
電車よりも早い、安い、うまい(満員電車に乗らないですむ)。

マラソンも記録を出したいからで、健康はどうでもいいのが本音です。
(応募数がすごいというニュースを観て、ノリで応募しちゃったら当選しちゃったので・・・。)

野球で例えるならば、昔速球派でならしていたので、今度も速球で三振が取りたい。
でも、年齢が年齢だからトレーニングしないとね・・・といった所です。

私も昔、スポーツでそれなりに結果を出しているので、今の劣化ぶりは正直腹立たしい。
なので、マラソンも完走は当たり前、記録を出さないと消化不良になりそうなので、トレーニングをしています。

(と、偉そうに書きましたが、走ってみると体力はさることながら筋力が持たない。
4分30秒/kmだと息があがってきますが、5分30秒/kmぐらいだと息もあがらず話しながら行けそうです。

しかし息はあがっていなくても、足の筋肉が悲鳴をおこすという悲しい現実があったりします。
コンプレッションウェアを買っちゃおうかな、なんて思ったり・・・。
はたして、本番はいかに!?)

と、このようにいろいろなことを考えていたり、背景があったりするわけですが、話し相手はそのようなことは全く知りません。

したがって、私の取り組み(具体的なアクション)を見て自分なりに予想すると「健康を意識しているのかな?」となるわけです。

その予想の際の判断基準として、世の中の流れがあったりします。

3年前に自転車通勤だと言うと変な目で見られていたのが、「メタボ」、「エコ」、「LOHAS」などのキーワードが流行りだし、実際に自転車通勤をしている方が書籍やメディアを通して広く伝えることで最近は市民権を得ています。

3年前は、口で電車よりも早い、安い、うまいことを説明しても信じてくれる方は少なかったです。
しかし、今は「健康のために・・・」という流れから、「実は、電車よりも早い、安い、うまいですよ」と伝えると、みなさん、納得されることが多いです。

さてさて、私の周りではこのようなことが起こっているのですが、この話を仕事に活かしてみたいと思います。

例えば、仕事でコミットメントが求められる場面を想像してみてください。
ここで言うコミットメントは、与えられた仕事の役割を果たすというよりも、会社として目的や目標を達成しようという意味合いです。
(もちろんお客様からの期待にこたえる、期待を超えるという意味合いでもいいと思います。)

このような場合、何がしかチャレンジの要素を含んでいることが多いと思います。
特に弊社が提供しているプロジェクト・マネジメントの世界では、プロジェクト=チャレンジです。
お客様はなれない環境で必死に頑張っていることが多いです。

では、仕事でコミットメントが求められる場面を想像してもらった所で、あなたはその仕事にコミットメントするために、周りをどう巻き込みますか?

よくある取り組みは、リーダーがその目的や意義、背景を説明し推進する・・・ということです。

そして、ここからがうまくいく場合と、うまくいかない場合の分かれ道です。
私の経験上、うまくいく方は、発言と行動に一貫性があります。

実際にあった話ですが、あるプロジェクトでの話です。
システムではなく人に頼った仕事をしていた結果、需要に対して供給が追い付かず、業績が横ばいになってしまっている会社がありました。
お客様からの注文に迅速に応えるべく、業務プロセスの変更とシステム導入を行いました。

そのプロジェクトのキックオフミーティングのことです。
トップの方は、目的や意義、背景を説明しながら「わが社にとって非常に重要な取り組みだから頑張ってほしい」という話をしました。

目的や意義、背景を理解していないで突っ走っている会社もいる中で、しっかりしています。
しかし、このプロジェクト、結果としてなかなかうまく走りだしませんでした。

なぜか?

トップの発言と行動に一貫性がなかったからです。
最優先だ、自社にとって非常に大切だと言いながら、行動は違っていました。

例えば、投資の意思決定を行う会議。
本当に大切なら最優先で行うはずです。

しかし、ドタキャン。
それも誰もが納得するような案件が急に入ったわけでもなく、「どちらが大切だと思っているのだろうか?」と思ってしまうような理由。

目的や意義、背景がしっかりしていても、チャレンジに対しては誰もが不安です。
なかなか動き出すのが大変です。
だからこそ、行動で示すのが効果的です。

一方、上手な方は、その辺がしっかりしています。
忙しい中で時間を作って、顔を出して様子をうかがったり、何かにつけて気にかけてくれたりします。

ここで、勘違いしてほしくないのは、「ドタキャンするな」、「暇を見つけて顔を出せ」とテクニックの話をしているわけではありません。

状況によって具体的なアクションは変わってきます。
3年前に自転車通勤の有用性を言っても伝わらなかったように、発言だけではなかなか変わりません。

だからこそ「行動にこだわる」ということです。

では、行動にこだわるには、どのようなアプローチがあるのか?

おそらく今までの経験からすると、ざっくり2つほどありそうです。

長くなったので、これは次回にでもしましょう。