2009/09/09

プロジェクト推進力がある会社が必ず持っているモノ

お待たせしました。

前回、「ざっくり感を持っていない業者は、プロジェクトを推進する力はないと判断していい」と書きましたが、どうしてなのか?
この理由を知っているのか、知らないのかで、あなたの仕事の進め方が変わってくるかもしれません。

例えば、私はこんな経験をしたことがあります。

・忙しくて1週間で10時間しか寝られなかった
・家に帰ったら朝刊が届いているという生活を1年ほど続けた
・家に帰る時、日の出時間が異なることで季節の変わり目に気付いた

一言で言えば、ちょっと忙しかったということですが、業者さんをきちんと見極めないとさらに大変なことになってしまいます。

実は私は上記の経験を通して、短時間睡眠法というのを極めたのですが、おそらくそちらを共有するよりも、プロジェクトが円滑に進むコツを共有した方がいいのかなということで、今回さらに突っ込んで書いています。

あなたが短時間睡眠法を極めないといけないということにならないよう、このエントリをちょっとでも参考にしていただけると幸いです。

では、本題にいきましょう。

前回「ざっくり感」と言う言葉を使いましたが、書き終わった後に気がつきました。

「ざっくり感」という言葉は最近、世間で言われている「フェルミ推定」と全く同じことです。

要は、スケジュールでは、きちんと見通しが立てられないといかんですよというわけです。
見通しを立てるというと、若い方からよく「経験やスキル、クライアント業界の知識がないと難しいですね」と言われてしまうのですが、そんなことはありません。

フェルミ推定を使って、ざっくりと出す事は可能です。

例えば、前回と同じく概要設計の打ち合わせ回数をざっくり出してみましょう。

仮に1回の打ち合わせを1時間とします。

すると、質問に30秒、回答に90秒、合計2分間で一つの質問が終わるとします。
そうすると20個の質問で40分、前後5分は挨拶やら全員揃わないやら次回打ち合わせの日程調整やら、なんだかんだで質問が出来なくなる。
そして、何かあった時のバッファーを10分と見たら、これで1時間の打ち合わせは終了です。

では、20個の質問で全部聞けるか?

お客様のビジネスを、人、金、モノ、情報(データ)の切り口で分けて、それぞれで20個ずつ質問したとすると・・・最低4回の打ち合わせは必要だな。
いやいや、人とモノの流れはややこしいから、2回ずつは必要だな・・・と。
となると、6回ぐらいは必要かな・・・で、こちらも質問した内容を反映して概要設計のたたき台の確認をしたいから、それは2回ぐらいとすると合計8回かな・・・いや鈴木さんは8回も時間は取れないから、さてさてどうしよう?事前に質問票を作成して送っておくか・・・他にも担当者がいるといいけど、誰か適任はいないかな・・・などなど。

上記のようにざっくりと数字を使って細かくしていくわけです。

確かに経験やスキル、クライアント業界の知識があれば、この精度が高くなるかもしれません。
でも、少なくとも、それがなければできない・・・ということはありませんよね。

このように事前に見通せるかどうかがスケジュール通りにできるかどうかの大切なポイントの一つになります。

で、このように考える事ができる業者さんなのかどうかが大切です。
ここで「やってみないとわからない」という業者さんは出たとこ勝負です。

上記のようにざっくりとした全体像が見えていません。
従って、ある一部分は妙に細かいのに、肝心の部分が抜けていたり、自分が経験している所は強いけど、それ以外はからっきしダメなんてことがあって、仕様漏れが発生したりします。

こうした問題が発生しないよう、上司の方がチェックしたり、その会社独自の方法論やテンプレートを用意している会社もありますが、個人的には、仕組と人、いずれもしっかりとざっくり感を持った会社の方が仕事を進めやすいです。

では、あなたにそのざっくり感があるかどうか?

簡単なテストで試してみましょう。
では行きます。

日本で年間行われているプロジェクト数はいくつでしょうか?















グーグル検索しようとした、あなた。(笑)
残念ながら、あなたにざっくり感はありません。

プロジェクトを推進する時は、ちょっと注意してくださいね。
(と書いては見たものの、何でもかんでも答えがあると思って、すぐグーグル検索しちゃうビジネスパーソンはいないですよね。悪ノリしちゃいました。すみません。)

では、次です。

例えば、日本に会社の数は・・・と考え始めたあなた。
いい感じです。
それだけにできれば、ちょっと立ち止まって考えることができたら最高です。

どういうことかというと「プロジェクトって何?」というのを定義しておくということです。

例えば、今回はプロジェクトは「期限があって」、「ある目的/目標を達成するための活動」とします。

そうすると、仕事とプライベート、それぞれにプロジェクトがありそうです。

で、仕事は、日本に会社の数は・・・とやりつつ、プライベートでは一人2つは抱えているとすると、人口は・・・なんて考えていきます。

これが正解・・・という話ではないので、必ずしも上記と同じじゃないといけないというわけではありません。

例えば、プロジェクトの定義に「複数の人が集まって」というのを含めたら、プライベートの話は、ちと変わってきますよね。

伝えたかったのは、このような感じで、当てずっぽうではなく、ざっくりと答えが出せるかどうかということです。


最後ですが、このフェルミ推定ができなかった方へ伝えたい事があります。

今回、できなかったと落ち込む必要はないと思います。
このスキルはプロジェクト型の仕事を商売にしている人が持っていないといけないスキルであって、ビジネスパーソン全てが必要かというと・・・正直、いらなくてもいいような気がします。

従って、業者さんを見極める目を養っていけば大丈夫だと思います。