2009/08/24

業者選定で見落としがちなこと(やっと本題)

前回、業者選定で見落としがちなこと(ウォーミングアップ)を書きました。

そこでスケジュールが「具体的な作業イメージができるか」、「その作業が現実的か(実施できるか)」を確認していくといいですよーというのをお伝えしました。

しかしスケジュールを確認しようとすると「詳細スケジュールは、実際に導入が始まってから(orキックオフ)お伝えします。」と返されてしまうことがあります。

その時、どのような質問をすればいいのか?

今回は、この辺を書きながら、業者選定力アップを目指していきます。

早速ですが、上記のように返されてしまった時にどのような質問をすればいいのか?
あなたはわかりますか?

おそらくいろいろあるかと思いますが、私がいろいろ試してみた中で一番効果的だったのはこちらの質問です。

「わかりました。では、ざっくりで構わないので、幅を教えていただけませんでしょうか?」

これだけだと、ちょっとわかりにくいかもしれません。
従って、具体例でフォローします。

「例えば概要設計では打ち合わせをする・・・とおっしゃっていましたが、それって1時間の打ち合わせを2、3回ですか?それとも10回以上必要ですか?」

このように書かれてあるタスクや、質問をして確認したタスクがどれくらいの頻度で行われるか確認します。

先方が言うように、実際は「7回です。」と言いきれるものではありません。
具体的な進捗に従って、回数の見通しの精度は上がってきます。
(そのため、進捗によってスケジュールは随時見直し、修正が入っていきます。)

もちろんリソースが制約になって「3回」と決まってしまうこともあります。
ただ提案段階では、そのような制約が出てくることは少ないと思います。

それよりも、先方がどれくらいの幅を想定して、今回のスケジュールを作成しているのか確認しておくことは重要です。

1回と10回では準備ややることも変わってきますよね。
(桁が変わる時は、当然内容も変わってきます。)

この幅を確認すれば・・・

・10回近くって言うけど、佐藤さんは1ヵ月にそれだけ時間取れないよなぁ・・・どうしよう?
・3回って言うけど、そんなに短くて、これだけの要件詰められるのかなぁ?何かこちら側で事前準備が必要なのかな?それともテンプレート的なものがあるのかな?

などなど、スケジュール確認時のポイント

・具体的な作業イメージができるか
・その作業が現実的か(実施できるか)

上記2つがより深まる結果になります。

と、ここまでは学問ちっくな書き方でしたけど、この幅を確認する質問、ぜひやってみてください。

相手の反応を見るだけで様々なことがわかります。

基本的に、しっかり検討してきている会社や優秀な方は、しっかりと答えてくれます。

一方、使い回しの資料でスケジュールを立てたり、検討が不十分だったりすると、しどろもどろです。
基本的に、回数の幅を教えてくれません。(笑)

ちょっと意地悪なのですが、「1回ですか?2、3回ですか?5回以上ですか?」と3択に絞ってあげても、いろいろな理由を付けて「それはやってみないとわからない」的な回答が返ってきます。

このように自分達のタスク(アクション)に対してコミットできない業者は、目的や目標の達成にコミットすることはないので、この時点で外してしまって構わないと思います。

実際は、今、目の前にいる営業が作業をするのではないのですが、似たりよったりではないかと思います。
(もしそれでも・・・というのであれば、コンペ形式にして実際に作業をされる担当者も連れてきてもらって話を聞いてもいいかもしれませんね。)

そして、この幅を確認する質問ですが、プロジェクト推進において、実は大きな考え方だったりします。

キーワードは「ざっくり感」です。

このざっくり感を持っていない業者は、プロジェクトを推進する力はないと判断していいと思います。

プロジェクト実施中に起こる症状としては・・・

・エクセルのスケジュール表は一度作ったら、そのままほったらかし。
・作業がどれくらい完了したかチェックするのみ。
・遅れている作業に対して、「なぜ遅れたのか」担当者を責めるばかり。

この症状が出るのが、なぜダメなのか、どういう影響があるのか・・・は改めて書かなくても痛感されていると思いますので割愛しますが、「ざっくり感」がない業者は、なぜプロジェクトを推進する力はないと判断していいのか・・・。

次回は、その辺を書いていきたいと思います。
(学問ちっくな内容になりそうなので、書く価値があるのかどうか若干不安はありますが、仕事ができる方や頼れる業者さんを見て気が付いたことなので、共有しておいてもいいのかなと。)