2009/02/12

歳を取ってもしたいこと

先日アップルストア銀座で、ある光景を目にしました。

アップルのサービスの1つに「One to One」というパーソナルトレーニングサービスがあります。
One to One

この「One to One」に、70歳?80歳?、還暦は遠い過去に経験していると思われる女性の方が受講されていました。

自分のMacbookを持ってきて、Macの操作を勉強している姿はとても珍しいなと思いました。

そんな光景を目にして考えたのは、「自分は歳を取ってもこのような姿勢を持っていられるだろうか?」ということです。

「死ぬまで勉強し続ける」、「常に学ぶ姿勢を持つ」と口で言うのは簡単ですが、いざその時になってできるだろうか・・・。

例えば、100歳になって体は満足に動かないし、目は悪いし、耳も遠い、外を出歩くのも一苦労、ましてや海外なんて行けない・・・。

そんな状況でも、なお英語を勉強する・・・。

いつ死ぬのかわからないのに、「今さら、それを学んでどこで使うの?」と問いかけてしまいたくなります。

コンサルティングの仕事をしていると「効率化」というキーワードが出てきたりします。
(仕事術の1テーマでもありますよね。)

そんな視点で見ると、英語の勉強は合理的には見えません。
コンサルティングの仕事をして慣れてしまうと、100歳の自分は英語の勉強なんてしないでしょう。

「将来の自分にとって一番価値の高い勉強は何か?」なんて考えながら、テーマを決めるはず・・・。

そんな風に思っていました。

ただ、それって、ちょっと違うのかもしれない・・・と最近考えています。

「100歳になっても英語を勉強する」ということは、それが合理的かどうかが問題なのではなく、その姿勢というか生き様というか、そういったことが大切なのかな・・・と。

アップルストアで見た女性の方も、若い時から意欲的に物事を吸収し、勉強してこられた方なのではないかと思います。

歳を重ねても、なおその姿勢を保ち続ける。
(もしかすると歳を重ねると、その積み重ねしか出てこないのかもしれませんが・・・。)

こう考えると、テーマ云々はどうでもよくなってきます。

勉強をして得られるメリットをベースに考えると、勉強するテーマってどんどん絞られてきますよね。

例えば、私は法学部出身で周りに司法試験の勉強をしている方が多かったのですが、学生時代は勉強を応援してくれた方達も、この歳にもなって勉強しているとしたら、「働きもしないで、いつまで・・・」なんて言うかもしれません。

仕事も「若いうちは勉強だ」と言われますが、年齢が上がってくるとそうも言っていられなくなります。

このように結果やメリットを考えると、歳を重ねれば重ねるほど勉強って難しくなっていきますよね。

ということは、「死ぬまで勉強し続ける」、「常に学ぶ姿勢を持つ」という姿勢は、若いうちから始めていないと歳を取って急にできるようなものでもなさそうです。

そんなことを考えていると、ますますアップルストアで見た女性の方はすごいなぁと思います。
ちょっとかっこいいというか、「あんな風に歳を重ねたいなぁ」と憧れてしまいます。

そして「若さ」という武器の強さも痛感します。
「若い」ってだけで、勉強をする環境が簡単につくれちゃうんですね。

あまりにも自然で当然の中にいると、それがどれだけすごいことか全くわかりません。

過去を振り返って、それってすごいなと思うってことは、自分も、ちと歳を取ったのかもしれませんね。
サッカーでルーズボールをマイボールにできないのもわかるような、わかりたくないような・・・。(笑)

それはさておき、アップルストアで見た女性の方のような素晴らしい人になれるよう日々精進します。