2008/09/12

お金が取れるベンダー、取れないベンダー

クライアント企業のシステム開発の導入支援などを通して、たくさんのプロジェクトをマネージしてきました。




クライアント企業とシステム会社さんの橋渡しを行ってきたのですが、数を重ねるにつれて、ある傾向があることに気が付きました。

今回は、その傾向について書いてみたいと思います。

いきなりですが、お金の取れるベンダーさんって、どんな会社だと思いますか?

って、そんなこと聞かれてもわからないですよね。

では、自分が社長さんか、システム部の部長さんだと思って、どのようなベンダーさんに仕事をお願いしたいと思いますか?

このように聞けば、様々な視点が出てくると思います。

例えば、価格は妥当か?、品質はしっかりしているか?、スケジュールは守れそうか?、開発方法論があるか?、体制は?などなど・・・。

システム開発の導入支援では、このような視点でベンダーさんが出してくる提案内容を比較検討して1社に絞り込みます。

そして、プロジェクトが始まるわけですが、よく似たケースにも関わらず、うまくいくケースとうまくいかないケースがあります。

誤解を招かないように正確に言うと、どちらも結果はOKです。
当初の目的・目標は達成されているのですが、進め方が良かった時と、イマイチの場合があるんです。

こちらはプロジェクト・マネジメントをしていて、あらゆるケースを経験しているわけですから、対応が良くなかった・・・と言うわけではありません。

でも、進め方が良かった時と、イマイチの場合があるんです。

ここがお金の取れるベンダーさんと取れないベンダーさんの違いがあるような気がします。

では、その違いは何でしょうか?

一言で言うと、お金の取れないベンダーさんは「頑張っていますアピールが大好き」です。

どういうことかと言うと、お金の取れないベンダーさんは必ず、私達は「頑張って」仕事をしていますというアピールをどこかに入れてきます。

毎日終電まで仕事をしていた・・・徹夜で終わらせた・・・などなど、プロジェクトがピークに近づけば近づくほど、このような話がボロボロ出てきます。

どのプロジェクトも困難な場面があり、必ずこういった局面はあったりするのですが、お金の取れないベンダーさんは、リーダーがそのような状況が大好きで「忙しい、忙しい」と言いながら進めていたり、そのような状況をことさら強調します。

例えるならば、煙が出ているので「煙を消しておいてくださいね。」とお願いしたにも関わらず、その煙を団扇で煽って火をおこして、「火事だー」と叫ぶわけです。(もしくはほったらかしにして火事になるまで待つ。)


その火事をメンバーと一緒に消化して「よかった、よかった」となるわけです。

火事になれば、それだけみんなの注目を浴びるため格好のアピールになるわけです。
ピンチはチャンスですね。

クライアント企業側も、火事が消化されてホッとしています。
むしろその火事を消化してくれたので、ヒーロー扱いです。

このようにヒーロー扱いされるので、ますますその傾向が強くなります。

だから納期直前はいつも怒涛のように忙しくなる・・・。

納期直前に新規タスクがどんどん出てくるような仕事をいつもやっている会社は、ちょっと気を付けた方がいいかもしれません。
リーダーが、そういう仕事の仕方が大好きな可能性があります。

今の話を聞いて、「それってプロじゃないよね」と思われた方は安心です。
お客様の立場に立った仕事ができている可能性が高いです。

本来、トラブルは起こってはいけないハズです。
そのように考えるならば、プロジェクトは恐ろしいほどつまらなく淡々粛々と進行し、目的・目標が達成されるのが理想です。

そのためには、影で多大な努力が必要ですよね。

例えるならば、白鳥が優雅に泳いでいますが、水面下では激しく足をバタつかせているイメージです。

きちんとしたクライアント企業なら、水面下でも激しく足をバタつかせているのは理解して評価してくれます。
だから、毎日終電まで仕事をしていた・・・徹夜で終わらせた・・・なんてアピールする必要はないわけです。


実は、ここにはもう一つ問題が隠されています。
長くなったので、次回にします。