差別化のウソ
ちょっと面白いデータベースを発見しました。
ベンチャー企業の経営危機データベース(METI/経済産業省)
ここでは、ベンチャー企業の経営者が様々な場面で決断を下す際の「転ばぬ先の杖」として、将来起こりうるリスクを予見できるような失敗、トラブル、ヒヤリとした経験の事例を収集・データベース化されています。
83例あるのですが、中身を見ると、「課題・ヒヤリとした経験」、「経営判断」、「得られた教訓」、「後日談」といった項目に分かれ、具体的な数字・事実と共に、その時の考えやその後の反省など、ためになる内容が盛りだくさんです。
自分の経験や普段接している経営者の方との話と比較すると、細かい数字や内容をもっと知りたくなる衝動にかられるのですが、細かいことはここに書かれてある内容から十分推測できるので、なかなか興味深くかつ有益なデータベースです。
ということで、このデータベースに触発されて(?)、私もひとつ経験談を紹介したいと思います。
みなさん、「差別化」という言葉はご存知でしょうか?
そう、商品・サービスを紹介する時や新商品開発の時に出てくる言葉です。
「他と比べてどこが違うの?」、「差別化しないと・・・。」
自社の商品・サービスを競合他社と識別するために、競合他社が真似のできない状況を作り出すために・・・。
もちろん他社との競争に勝つために、差別化は重要なポイントです。
でもこの「差別化」という言葉、起業していろいろな所で聞いたり、自分で考えたりしているうちに、人によって使っている意味が違うことに気が付きました。
使い勝手が良いせいか、明確な定義がされず、お互い理解がすれ違ったまま話が進んでしまうケースが多いような気がします。
まだ完全に把握したとは言えないのですが、その違いを説明したいと思います。
弊社のサービスを見てもらうとわかるのですが、15分砂時計vicisや会議専用ノートmeeting sheetなど、取り扱っている商品は、一見すると珍しいですよね?
これだけを見ると、他社と商品・サービスで「差別化」されていると言えそうです。
15分砂時計vicisに限って言えば、作成できる職人さんがいないため(ウチで独占契約している)、まさにオンリーワンです。
おおっ、完璧に差別化できているじゃん。
書籍やインターネットにあふれる「差別化するための情報」を確認したり、「差別化するための方法・手順」を踏んでみると、ウチの商品・サービスは良いケーススタディになりそうです。
でも、それだけでは売れないんです。
「差別化」しても、あるものがないと全く売れません。
さて、そのあるものとは何でしょう?
・・・
・・・
・・・
(考え中)
・・・
・・・
私は、お付き合いのある経営者の方や友人と、こんな風に問題を出しながら、お互いの考えをぶつけて話をするのが好きです。
お互いの経験や考えが、良い具合にミックスされて体系化されていくんですよね。
前回も書きましたが、このような時に「あるものって何だろう?」と考え、自分なりの答えを持ってこの先を読むと、学習効果が高いので、オススメです。
答えが違っていても、それが不正解というわけではないので。
では、そろそろ答えにいきましょう。
答えは・・・
「顧客の視点」
です。
結局、どんなに競合他社と差別化しても、それが顧客にとって、どのような価値があるのか・・・がないと全く売れません。
競合他社を意識しすぎて、お客様を忘れてしまっている。
例えるならば、選挙カーみたいなものです。
日中、名前を連呼して、名前を覚えてもらったとしても、投票してもらえるか・・・。
起業当初は、自分達がいかに素晴らしいか、優秀であるか・・・の証明をしていたような気がします。
でもそれではなかなか売れないのですね。
顧客視点のない差別化はむしろ最悪な状況を生み出します。
お客様の立場に立てば、すぐにわかります。
どのような価値があるのかわからない上に、商品・サービスも目新しい。
そんな右も左もわからないものに、お金を払うでしょうか?
結果は言わなくてもわかります。
例えば、15分砂時計vicisは、起業してから広告も何もしていないにも関わらず、付き合いのあった社長さんにそれなりに売れていました。
でも、それはみんなが立ち上がったばかりの私を「応援」して買ってくれたわけです。
それに甘えて見間違ってしまった。
でも、何がきっかけかは忘れましたが(このきっかけを思い出したい)、「顧客の視点」で考えるようになりました。
「お客様が抱える問題や課題って何?」
「これを使うことで、どのような価値が得られるの?」
顧客視点で考えるようになって、売上が伸びていったのは事実です。
例えば、砂時計を購入してくれた高校の先生が、実際に使ってみて「砂時計で人生が変わる」と称して、生徒に話をしてくれたり・・・読んでいて、感動してしまう話をもらうようになりました。
真剣に、真摯にお客様と向き合うと、とても嬉しい声が返ってきます。
でも、この「顧客の視点」、とても繊細な気がします。
起業当初も「お客様のために」いろいろとメリットを伝えています。
ただ「お客様のために」という言葉は、主語が自社、自分達にあるような気がします。
「お客様のために」こんなもの用意しました。(ウチってスゴイでしょ?認めて!)
「お客様のために」こんなことしています、頑張っています。(なのにどうして認めてくれないの?)
こんな負のスパイラルを生み出しやすい気がします。
主語を顧客にするためには、「お客様の立場で」伝えることが大事だと実感しています。
「顧客の視点」で差別化の話ができているかは、会議中の発言でもわかります。
例えば「競合他社が真似してきたらどうするの?」など、「お客様」という言葉が出てこないと危険です。
それ以外にも「お客様のために」視点の発言や、「お客様の立場で」視点の発言など整理すると、キレイに分けることができそうな気がしているんですが、この辺はまだ道半ばですね。
商売の道は奥が深いので、楽しいです。
長い付き合いになりそうですね。
ベンチャー企業の経営危機データベース(METI/経済産業省)
ここでは、ベンチャー企業の経営者が様々な場面で決断を下す際の「転ばぬ先の杖」として、将来起こりうるリスクを予見できるような失敗、トラブル、ヒヤリとした経験の事例を収集・データベース化されています。
83例あるのですが、中身を見ると、「課題・ヒヤリとした経験」、「経営判断」、「得られた教訓」、「後日談」といった項目に分かれ、具体的な数字・事実と共に、その時の考えやその後の反省など、ためになる内容が盛りだくさんです。
自分の経験や普段接している経営者の方との話と比較すると、細かい数字や内容をもっと知りたくなる衝動にかられるのですが、細かいことはここに書かれてある内容から十分推測できるので、なかなか興味深くかつ有益なデータベースです。
ということで、このデータベースに触発されて(?)、私もひとつ経験談を紹介したいと思います。
みなさん、「差別化」という言葉はご存知でしょうか?
そう、商品・サービスを紹介する時や新商品開発の時に出てくる言葉です。
「他と比べてどこが違うの?」、「差別化しないと・・・。」
自社の商品・サービスを競合他社と識別するために、競合他社が真似のできない状況を作り出すために・・・。
もちろん他社との競争に勝つために、差別化は重要なポイントです。
でもこの「差別化」という言葉、起業していろいろな所で聞いたり、自分で考えたりしているうちに、人によって使っている意味が違うことに気が付きました。
使い勝手が良いせいか、明確な定義がされず、お互い理解がすれ違ったまま話が進んでしまうケースが多いような気がします。
まだ完全に把握したとは言えないのですが、その違いを説明したいと思います。
弊社のサービスを見てもらうとわかるのですが、15分砂時計vicisや会議専用ノートmeeting sheetなど、取り扱っている商品は、一見すると珍しいですよね?
これだけを見ると、他社と商品・サービスで「差別化」されていると言えそうです。
15分砂時計vicisに限って言えば、作成できる職人さんがいないため(ウチで独占契約している)、まさにオンリーワンです。
おおっ、完璧に差別化できているじゃん。
書籍やインターネットにあふれる「差別化するための情報」を確認したり、「差別化するための方法・手順」を踏んでみると、ウチの商品・サービスは良いケーススタディになりそうです。
でも、それだけでは売れないんです。
「差別化」しても、あるものがないと全く売れません。
さて、そのあるものとは何でしょう?
・・・
・・・
・・・
(考え中)
・・・
・・・
私は、お付き合いのある経営者の方や友人と、こんな風に問題を出しながら、お互いの考えをぶつけて話をするのが好きです。
お互いの経験や考えが、良い具合にミックスされて体系化されていくんですよね。
前回も書きましたが、このような時に「あるものって何だろう?」と考え、自分なりの答えを持ってこの先を読むと、学習効果が高いので、オススメです。
答えが違っていても、それが不正解というわけではないので。
では、そろそろ答えにいきましょう。
答えは・・・
「顧客の視点」
です。
結局、どんなに競合他社と差別化しても、それが顧客にとって、どのような価値があるのか・・・がないと全く売れません。
競合他社を意識しすぎて、お客様を忘れてしまっている。
例えるならば、選挙カーみたいなものです。
日中、名前を連呼して、名前を覚えてもらったとしても、投票してもらえるか・・・。
起業当初は、自分達がいかに素晴らしいか、優秀であるか・・・の証明をしていたような気がします。
でもそれではなかなか売れないのですね。
顧客視点のない差別化はむしろ最悪な状況を生み出します。
お客様の立場に立てば、すぐにわかります。
どのような価値があるのかわからない上に、商品・サービスも目新しい。
そんな右も左もわからないものに、お金を払うでしょうか?
結果は言わなくてもわかります。
例えば、15分砂時計vicisは、起業してから広告も何もしていないにも関わらず、付き合いのあった社長さんにそれなりに売れていました。
でも、それはみんなが立ち上がったばかりの私を「応援」して買ってくれたわけです。
それに甘えて見間違ってしまった。
でも、何がきっかけかは忘れましたが(このきっかけを思い出したい)、「顧客の視点」で考えるようになりました。
「お客様が抱える問題や課題って何?」
「これを使うことで、どのような価値が得られるの?」
顧客視点で考えるようになって、売上が伸びていったのは事実です。
例えば、砂時計を購入してくれた高校の先生が、実際に使ってみて「砂時計で人生が変わる」と称して、生徒に話をしてくれたり・・・読んでいて、感動してしまう話をもらうようになりました。
真剣に、真摯にお客様と向き合うと、とても嬉しい声が返ってきます。
でも、この「顧客の視点」、とても繊細な気がします。
起業当初も「お客様のために」いろいろとメリットを伝えています。
ただ「お客様のために」という言葉は、主語が自社、自分達にあるような気がします。
「お客様のために」こんなもの用意しました。(ウチってスゴイでしょ?認めて!)
「お客様のために」こんなことしています、頑張っています。(なのにどうして認めてくれないの?)
こんな負のスパイラルを生み出しやすい気がします。
主語を顧客にするためには、「お客様の立場で」伝えることが大事だと実感しています。
「顧客の視点」で差別化の話ができているかは、会議中の発言でもわかります。
例えば「競合他社が真似してきたらどうするの?」など、「お客様」という言葉が出てこないと危険です。
それ以外にも「お客様のために」視点の発言や、「お客様の立場で」視点の発言など整理すると、キレイに分けることができそうな気がしているんですが、この辺はまだ道半ばですね。
商売の道は奥が深いので、楽しいです。
長い付き合いになりそうですね。
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