2008/05/08

キャプテンが伝える言葉

「コンサルティング会社に騙されない方法」の続きを期待されていた方、ごめんなさい。

Noblesseという雑誌に日本サッカー協会キャプテン・川淵三郎氏のインタビュー記事があったのですが、その内容が良かったのでシェアしたいと思います。

日本サッカー協会では、「百年構想」というものがあり、小学校の校庭を緑の芝生にしようという試みなど、地域に根ざしたスポーツクラブを実現させようといろいろ取り組んでいます。

インタビューの中で、サッカー界のためだけなんてちっちゃいことは考えておらず、サッカー界を通じてスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と、世の中の発展に貢献するために、職員すべてが働いている・・・と、川淵氏は答えています。

このような話をされた後の言葉がちょっと響きました。

”浦和レッズのレッズランドのような大きいものは別としても、どこかが施設を持ち始めると、日本の社会は横並びの社会だから、あっちがやるなら俺もと、意外と早く実現する可能性がある。
横並び社会はいい前例ができれば、割合早く広範囲に広がっていくものです。”

「横並び社会 = 悪」というイメージがあるかと思いますが、横並び社会の良い面を見て、積極的に活用しようとしている。

個人的に日本社会の横並び意識には、ネガティブな印象しか持っていなかったので、この言葉を読んだ時に、ハッとしました。

そっか、いい前例ができれば、話は早いんだなと。

横並び意識からくるリスクを取らない姿勢というか、自分から積極的にアクションを取らない・・・という場面を仕事でたくさん見てきたので、イライラすることが多かったのですが、イライラする自分が間違っていることに気が付きました。

キャプテン、ありがとうございます。

このインタビュー、他にもとってもいいことが書いてあります。

今の若い選手に対して、苦言を呈しています。
先輩達が一生懸命築いてきたものも、明日には瓦解する可能性だってある。
だから、感謝の気持ちと問題意識・危機感を持ってやらないといけないと・・・。

そして、最後が良かった。

”単に給料をもらうためにやっているなら、やめとけと。

ファンに感動、勇気、希望、夢、自分のプレーでお客さんをいかに感動させるか。
感動が生活のプラスになっていくから、ファンはお金を払って試合を観に来てくれるわけで、審判に文句ばっかり言ったり、痛い痛いとすぐに倒れたりして、それが金になると思っているのか、と言いたい。”

キャプテン、しびれます!

自分自身、ドーハの悲劇の頃の日本代表には思い入れがあるのに、今の代表には思い入れがない・・・のも、この言葉を読むとわかるような気がします。

ドイツW杯では、一番感情表現がなさそうな中田英寿選手が一番、思いが伝わってきたような気がします。
98年フランスW杯の代表ですし、前世代の思いを引き継いでいるような気がします。

だからこそ、今の代表はその思いを引き継いでいないような気がするので心配なんですよね。

技術は圧倒的にうまいんですが・・・。

スキルセットとマインドセットという言葉で表現すると、スキルセットは上がったが、マインドセットが下がった感じです。

この2つは足し算ではなく、掛け算なので、勝負の世界では・・・やっぱりね。

と、サッカー界のことも考えてしまうのですが、一方でキャプテンの言葉は、自分の仕事についても考えてしまいます。

言葉をちょっと変えると、自分のことにも当てはまりますよね?

”ファンに感動、勇気、希望、夢、自分の「仕事ぶり」でお客さんをいかに感動させるか。
感動が生活のプラスになっていくから、「お客さん」はお金を払って「商品・サービスを購入して」くれるわけで、「社員」に文句ばっかり言ったり、「忙しい忙しいとすぐに休んだりして」、それが金になると思っているのか、と言いたい。”

なぜウチの商品・サービスを購入してくれるんだろう?

そんなことを考えていると、背筋がまっすぐになるような気分です。

プロフェショナルとはいかなるものか・・・というのを教えられました。

明日からも、しっかり頑張っていきたいです。