2007/06/27

Amazonの配送から学ぶIT活用

Amazonで本を注文した。

先日よりエクスプレス配送サービス「お急ぎ便」が使い放題になる「Amazon プライム」というサービスが始まっているが、それ以来、通常便の配送が遅くなっているような気がする・・・。(気のせいかな?)

ということで、Amazonって、どうやって配送しているのか気になってネットサーフィンをしてみた。

どうやら注文を受けると、アルバイトの人が倉庫の中を歩き回って、注文の本を集めてくるらしい。

それって、至って普通じゃん?

と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、面白いなと思ったのは、「本がバラバラに置かれている」ということ。

つまり、ジャンルごと、作者ごとに綺麗に整列されているわけではないということ。

これじゃあ、注文の本がどこにあるかわからないじゃんという心配が出てきますが、ご安心ください。

アルバイトの人は手元にある機器(ハンディターミナル?)を使います。
注文の本がどの辺りに置いてあるのかハンディターミナルが表示してくれるので、その指示に従えば大丈夫。

アルバイトが倉庫を周りながら注文の商品を集めてくる。

一見、非効率に思えることでも、その詳細を見ていくと納得。

もし機器を使わずジャンルごと、作者ごとに整列していた場合、いろいろな費用がかかってくる。
・棚に補充する際のコスト(ただ置いていくだけより時間がかかる)
・アルバイトに棚の整列を教える教育コスト
・アルバイトが提供するサービスのばらつき(棚の整列を覚えている人と覚えていない人の作業量の違い)
・本の売れ行きに伴う棚転換

などなど。
このようなコストがかかるなら、本を補充する時は、どんどん置いていって、データ管理した方がコストがかからないんだろう。(Amazonみたく巨大な物量あってのものかもしれませんが・・・。)

ということで、他の仕事でも事例がないか考えてみる。
若干異なるが、Web上でタグ付けなどを行うことも、従来の分類行為と異なる点で似ているかな・・・と思う。

フォークソノミーという言葉に代表されるように、IT機器や検索システムの発達により緩やかな分類が可能になってきたのかな・・・という感じはしますね。

となると、自分の仕事とも関連させてナレッジマネジメントの分野で使いたくなるような気がしてきます。
が、企業における蓄積情報の活用は、検索時のデータの精度がポイントになってくるような気がします。

例えば、Amazonの注文書はデータが決まっている、かつ抜け漏れがないので、緩やかな分類でも該当データ(本)を見つけるのは簡単。
(どちらかと言うと、検索時間短縮のためのインデックスを考える方に注力しているのでは?)

欲しい答えのイメージが明確で、かつそれを的確にデータとして表現できればいいのですが、ナレッジマネジメントの分野では往々にして、答えは曖昧だったりするもの・・・。

検索技術については以前にも書いたけれど(詳細はこちらを参照)答えがないものに答えを与えるのは難しいこと。

いずれにせよバランスの問題なので、答えがはっきりしているなら曖昧に分類し、答えが曖昧ならば、それなりに分類するのがいいのかもしれませんね。

費用削減と効率化を考えると、Amazonみたく物流など物理的なモノや人の動きを絡ませた方が効果が出そうですね。